interview Vol.5:JET SET BOYSに聞く、今に通じる過去の話 〜Drum:高橋まこと(ex. BOØWY)編〜
JET SET BOYSは、80年代〜90年代,00年代を駆け抜けてきた伝説的なミュージシャンが集結したスペシャル・バンドだ。
椎名慶治(ex:SURFACE)
高橋まこと(ex:BOØWY)
友森昭一(ex:AUTO-MOD、REBECCA)
tatsu(LÄ-PPISCH)
という、音楽シーンの変遷を知るロックファンなら、驚きのメンバーが集結していることがわかるだろう。
ビートを司るドラマーに、日本を代表する伝説的ロックバンド元BOØWYメンバー高橋まこと。
ギタリストには友森昭一が参加。布袋寅泰や高橋まことが在籍していたことでも知られる破滅的パフォーマンスで知られるシアトリカルなバンドAUTO-MODメンバーであり、REBECCA の3代目ギタリストを経由して、氷室京介バンドの初期メンバーでもあり、大塚愛、藤井フミヤ、鬼束ちひろを支えてきたミュージシャンとしても有名だ。
ベースのtatsuは、海外でも評価の高い元祖ミクスチャー・バンドLÄ-PPISCHで活躍。さらに、個性あふれるアーティスト宮沢和史、大森靖子、片平里菜、ハルカトミユキを、独自のスタイルによるプレイで支えてきた。
ヴォーカル椎名慶治は、SURFACEとしてポップなアーティスト性で才能溢れる歌声を聞かせ、現在もソロシンガーとして確固たる地位を築き上げてきた。
そんなメンバーに、現在4人で活動するロックバンドJET SET BOYSに通じる過去の話を聞いてみた。2017年6月14日リリース、2ndアルバム『BIRD EYE』を紐解くヒントとなるだろう。
テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
〜Drum:高橋まこと(ex. BOØWY)編〜
ーー高橋まことささんにとってBOØWY(1982年〜1988年)というバンドとはどんな存在でしたか?
高橋:BOØWYはね、もう一般的にも知らない人がいないってぐらいのバンドとなったので有り難いことだよね。ただBOØWYでは8ビートばっかり叩いていた印象が強かったみたいで、でもドラマーとして違う面もあるってことを伝えたい気持ちもあったんだ。
ーーその後De-LAX(元ALLERGYのヴォーカリスト宙也を中心として結成) 、GEENA(De-LAXのギタリスト榊原秀樹と結成)などを経て、JET SET BOYSへどんな風につながっているでしょうか?
高橋:それこそ、実際はDe-LAXやGEENA とか、BOØWY後の人生の方が長いワケで、あらためて“本当にこれで良いのか? 残された人生でもう一度バンドを組んでみたい”って思ったんだよな。
ーーそれを表現するためのJET SET BOYSなのですね。
高橋:そう。JET SET BOYSの結成のきっかけは、俺でした。ヴォーカルの椎名に声をかけたのがはじまりでさ。東北で震災があったときに、復興支援のチャリティー・ライブで“BOØWYの曲を歌えるヤツいないかな?”って思ったのがきっかけで。詳しいんだよ、椎名は。
ーー結果、JET SET BOYSにはそうそうたるメンバーが揃いました。
高橋:ギターの友森も昔から知ってるんだよ。俺のソロアルバムでギター弾いてもらったし。それこそ、俺もいたAUTO-MODやDe-LAXにも参加してるんだけど、入れ替わりだったんだよね。なんせヒムロック(氷室京介)のバンドでも弾いていたからね。tatsuは、友森が仲よかったんだよ。もちろんLÄ-PPISCHは知ってたけどつながりはなかった。でもJET SET BOYSに参加してもらってさ、前回のツアーでわかったんだけど、この4人って、なかなか面白いバンド感が生まれていると思うんだよな。
ーーわかります。さらに、狙いもあったのかと思いましたが、先行シングルとして配信された「CRUSH AND BUILD」は、BOØWY「BAD FEELING」を彷彿とさせるタム回し、8ビートだけでないディスコティックなプレイにやられました。
高橋:ちょっとサービスだよね。でも、サビのキャッチーさは椎名らしさだよな。2ndアルバム『BIRD EYE』は、メンバーのおかげもあって、俺のリズムやビートから曲が生まれているのでぜひ聴いて欲しいんだよな。
高橋まこと プロフィール:“ミスター・エイトビート”の異名を持つ、1988年に解散した伝説的ロックバンド元BOØWYのドラマー。BOØWY解散後はDe+LAX、GEENA、DAMNDOG、ドラマーズ、和太鼓バンドCOHAN などで活躍。サポートとしても旧友の布袋寅泰、松井常松、その他、吉川晃司、山下久美子、清木場俊介、GLAYなどのアルバムに参加。60歳の還暦を過ぎた今でも、生涯現役のドラマーとしてバンドのドラムにこだわりを持ち続けている。