interview Vol.4:JET SET BOYSに聞く、今に通じる過去の話 〜BASS:tatsu(LÄ-PPISCH)編〜
JET SET BOYSは、80年代〜90年代,00年代を駆け抜けてきた伝説的なミュージシャンが集結したスペシャル・バンドだ。
椎名慶治(ex:SURFACE)
高橋まこと(ex:BOØWY)
友森昭一(ex:AUTO-MOD、REBECCA)
tatsu(LÄ-PPISCH)
という、音楽シーンの変遷を知るロックファンなら、驚きのメンバーが集結していることがわかるだろう。
ビートを司るドラマーに、日本を代表する伝説的ロックバンド元BOØWYメンバー高橋まこと。
ギタリストには友森昭一が参加。布袋寅泰や高橋まことが在籍していたことでも知られる破滅的パフォーマンスで知られるシアトリカルなバンドAUTO-MODメンバーであり、REBECCA の3代目ギタリストを経由して、氷室京介バンドの初期メンバーでもあり、大塚愛、藤井フミヤ、鬼束ちひろを支えてきたミュージシャンとしても有名だ。
ベースのtatsuは、海外でも評価の高い元祖ミクスチャー・バンドLÄ-PPISCHで活躍。さらに、個性あふれるアーティスト宮沢和史、大森靖子、片平里菜、ハルカトミユキを、独自のスタイルによるプレイで支えてきた。
ヴォーカル椎名慶治は、SURFACEとしてポップなアーティスト性で才能溢れる歌声を聞かせ、現在もソロシンガーとして確固たる地位を築き上げてきた。
そんなメンバーに、現在4人で活動するロックバンドJET SET BOYSに通じる過去の話を聞いてみた。2017年6月14日リリース、2ndアルバム『BIRD EYE』を紐解くヒントとなるだろう。
テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
〜BASS:tatsu(LÄ-PPISCH)編〜
ーーLÄ-PPISCH(1983年結成)は、スカをいち早く取り入れ、日本のロックシーンのメインストリームで知らしめたバンドでした。音楽の幅の広さを教わったバンドですね。その後も、様々な音楽を飲み込みまくって再解釈されていました。
tatsu:我々は、本当にやりたいことやっていただけなので、何も責任を取りません(苦笑)。でも、そう言ってくれるのは嬉しいよね。
ーー日本のロックとして表現された、いわゆる元祖ミクスチャー・バンドですよね。
tatsu:それこそ、90年代というのは音楽が非常に豊かな時期でした。その頃に、プロデビューしてバンドをやらせていただいた影響は大きかったですね。チャレンジ精神いっぱいの素晴らしい経験をして。それこそ、片っ端から音楽を聴くまくって取り込んでましたから。
ーー情報量の多さという視点からの再構築と考えると、LÄ-PPISCHって、実はとても今っぽいバンドですよね。
tatsu:パンクだろうがロックだろうが、スカだろうが民族音楽だろうが一切御構い無しでしたから。LÄ-PPISCHは、演歌以外は、ありとあらゆるサウンドを取り入れたと思います。海外に行ったりとかもね。そういえば、トッド・ラングレン(先鋭的かつメロディアスな音楽プロデューサー)にもプロヂュースしてもらいましたね。本当に学校のような経験であり、存在なバンドだと思います。いまも、解散はしてないんですけど、お休み中ですね。
ーーJET SET BOYSに通じるポイントは、どう考えられていますか?
tatsu:その紐解き方だと、メンバーがニューウェーブ世代ってところかな。細かいこだわりを耳にすると、楽しい聴き方ができると思いますね。いろんなネタが練り込まれているから。それこそギターの友森さんとは長い付き合いなんですよ。一緒にバンドはやってなかったけど、DJイベントでは一緒にレコードを回していたという。お互いひねくれているというか、変化球好きなところが一緒なんですよね。
tatsu プロフィール:1987年に『パヤパヤ』でメジャーデビューしたスカ、パンクニューウエーブなどを取り入れた当時はポップながらも先鋭的なサウンドが特徴のロックバンド LA-PPISCHのベーシスト。その音楽性はデビュー当初から、国内だけでなく海外での評価も高く、ポーランド、フランス、ロンドンなどでライブを行う。現在は、宮沢和史、大森靖子、片平里菜、ハルカトミユキ等、様々なミュージシャンのサポート・ベーシストとしても活躍中。