ジョン・コルトレーン『ブルー・トレイン』Dolby Atmos 試聴会を開催 ジョン・コルトレーン『ブルー・トレイン』Dolby Atmos 試聴会を開催

ジョン・コルトレーン『ブルー・トレイン』Dolby Atmos 試聴会を開催

ジョン・コルトレーンの永遠の名盤『ブルー・トレイン』65周年記念完全盤のリリースを記念し、Dolby Atmos試聴会が開催。抽選で合計22名様を試聴会イベントにご招待させて頂きました。

※Dolby、ドルビー、Dolby Atmos、およびダブルD記号は、アメリカ合衆国と/またはその他の国におけるドルビーラボラトリーズの商標または登録商標です。

視聴会レポート:ジョン・コルトレーン『Blue Train』を
ドルビーアトモスで味わう

ジョン・コルトレーン『Blue Train』ドルビーアトモス試聴会

ジャズ界のカリスマこと、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)。彼がブルーノートに残した唯一のリーダー作である『Blue Train』はジャズ史上特に人気の高い作品のひとつだが、今年でレコーディングから65周年となる。

今年9月には、最新リマスタリングを施したオリジナル・アルバムに加え、別テイク7曲を収録した完全盤がリリース。それを記念し、ジョン・コルトレーン『Blue Train』Dolby Atmos(ドルビーアトモス)試聴会が、2022年10月22日に開催された。

今回の会場は、東京都台東区にあるTheater SPROUT(シアタースプラウト)。ドルビーアトモスの音響を楽しめる設備が整っており、空間オーディオ体験イベントをはじめ、さまざまな催しが行われている会場だ。コメンテーターに音楽評論家の村井康司、佐藤英輔の各氏を迎えて、ジョン・コルトレーンの名盤を現代ならではの音響で味わっていく。門岡明弥さんによる寄稿。

ジョン・コルトレーン『Blue Train』ドルビーアトモス試聴会看板

これぞブルーノートの音!

村井:『Blue Train』は超名盤と言っていい作品なので、これまでもさまざまな形で出ていましたね。たとえば、1990年代に出た『The Ultimate Blue Train』とか、今日も探して持ってきちゃいました。

これは曲だけじゃなくて、パソコンとかで読み込むとカーティス・フラーが当時の話をするインタビュー映像が見れるんですよね。今はもう私が持っているパソコンでは読み込めなくなってしまいましたが……(笑)。英輔さんも、『Blue Train』いっぱい持っているでしょ?

佐藤:アナログも一応持っているけど、CDは2種類くらいですね。ただ、はじめて聴いたときに「すごい!」と思ったというより、後からよさに気づいた感じだったかな。コルトレーンのよさはもちろんですが、時間が経ってみて、ブルーノートのよさを感じられた部分も大きかったです。音の録り方とかね、他のコルトレーンの音と比べたときに「めちゃくちゃブルーノートのアルバムじゃん!」って。

なので、僕にとってコルトレーンはブルーノートのよさを改めて教えてくれた人だなと感じています。1曲目なんかもう、これぞブルーノート・チューンというかね。

村井ブルーノートはプレスティッジと違って、リハーサルをちゃんとやらせてくれるって言うよね。しかも、リハーサルにもギャラが発生するという、大変良心的な感じで。プレステージは、5時くらいになると「そろそろブルース1曲やって終わりにしよう!」ってプロデューサーが言うんですって。それで、必ずブルースが収録されている……なんて話もあって。

そのアバウトさがジャズっぽいといえばそうなんですけど、それに比べたらブルーノートはきちっとしていて、オリジナル曲も多めなんだよね。

村井:それでもって、今回の『Blue Train』は、これまで出たものと比べると特に音もよくなって、大変素晴らしい仕上がりになっているように感じます。ただ、『Blue Train』をドルビーアトモスで聴くのは、実は私たちも初めてなんです。なので、会場のみなさんと一緒になって「お〜、すごい!」とか言いながら楽しめたら嬉しいです。

佐藤:じゃあ、早速聴いてみましょうか!

左:佐藤英輔氏 右:村井康司氏

左:佐藤英輔氏 右:村井康司氏

ドルビーアトモスで紐解く『Blue Train』

1.「Blue Train」

佐藤:いや〜、やっぱりいいね!

村井:いいですね〜。実際にドルビーアトモスを聴いてみると、コルトレーンが吹くテナー・サックスの張り出し方が立体的で、ちょっと手前に出てきて吹いている感じがしました。あと、ポール・チェンバースのベースが聴き取りやすくなっていましたね。最後のベース・ソロを聴くと、ドラムがベースよりもやや内側にいて、ベースがそれよりもやや右側にいるっていう立ち位置の感じが、ステレオで聴いているときの何倍もよくわかって面白かったです。

佐藤:ドラムのアクセントにせよ、細かい部分がより聴こえるようになって、新たな発見を呼び起こすよね。ピアノが左に寄っていたけど、スタジオでも本当にそうやって並んでいたのかな?とも感じられるような。そのくらい音の立体感がありました。

村井:この当時はルディ・ヴァン・ゲルダーの自宅の応接間を改造したスタジオで録音していたので、結構狭い環境だったんですよね。両親の迷惑になるから夜はやらない!みたいなこともあった時代だったそうですが、その感じも見えてくるような気がしました。

佐藤:家に招かれたっていうと大げさになっちゃうけど、そんなようなね(笑)。

村井:ドラムのシンバルは右側から聴こえたんだけれども、シンバルの倍音が真ん中の方に聴こえているのも面白かったです。やっぱり、ステレオより全然わかりやすい。真ん中の方に、粒子状に散っていくような感じでね。これ、他の曲でドラムソロとかあるともっと分かると思うんだけども。

……というわけで、次の曲へいきましょう。次は「Moment’s Notice」といって、当時としては非常に新しいコード進行を用いて作られた曲です。普通のスタンダードとかブルースを弾きなれているミュージシャンが、「これはなに?」って驚いてしまう曲だったそうですよ。

また、「Moment’s Notice」っていうタイトルは、「急に、いきなり」といった意味合いなんですけど、トロンボーンのカーティス・フラーが「この曲やるよ」ってコルトレーンに言われて、「こんな曲いきなりやるの!?」と驚いたんですって。それで、タイトルが「Moment’s Notice」になったというエピソードもあります(笑)。

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視聴会レポート:ジョン・コルトレーン『Blue Train』をドルビーアトモスで味わう

ジョン・コルトレーンの永遠の名盤『ブルー・トレイン』65周年記念完全盤のリリースを記念し、Dolby Atmos試聴会の開催が決定しました。

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