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デビュー前にいきなりフジロック出演決定!!ビリー・ボーイ・オン・ポイズン インタビュー!

2011.03.10 TOPICS

  Special
Interview 08

BILLY BOY ON POISON VOL.1

<取材・文:高野裕子>

60年代反逆のロックのメッカとして、伝説のロック・バンドを生み出したカリフォルニア、ロサンジェルス。ここから今異色の新人バンド が登場した。その名もビリー・ボーイ・オン・ポイゾン。平均年齢18歳という彼らは、まさにカリフォルニア・ロック・ジェネレーションの第二世代!!両親 の聞くロックを子守唄に育ったと言うカリフォルニアのロック遺産とインターナショナルなロック感覚を、文学や詩、映画などから得たインスピレーションでオ リジナルな21世紀反逆のロックへと注入。その鋭く輝く個性と、才能を見出され、結成から1年以内にキーファ・サザランド(『24』主演のハリウッド俳 優)の運営するアイアン・ワークスと契約した。今年7月には、デビュー・アルバム『ドラマ・ジャンキー・クイーン』で世界デビューを果たす。

この彼らを6月イギリスで短いヘッドライナー・ツアーを行った彼らをキャッチした。2日前にはドニントンで行なわれたダウンロード・ フェスティバルのデビューも飾った彼ら。私が見たロンドンのライブ・ハウスのコンサートは、少数ながらも筋金入りロック・ファンが目を光らせる中行なわれ た。ライアンとグレッグのツイン・ギターは初期ローリング・ストーンズを彷彿させるも粋のあったもの。二人がお得意のリフや、短いが一度聞いたら忘れられ ない名ソロ、リズムを歯切れよく刻み、それを最近加入したジェコブのベースが力強くリズミカルに強化。そして紅一点ジェシのダイナミックな、男性顔負けの 豪快なドラムスは圧倒的で思わず目を見張る。細身の体を時には優しく、時にはバイオレントに動かし歌うヴォーカルのデイヴィスには若きボビー・ギレスピー やジーザス&メリー・チェインを彷彿させるカリスマと存在感がある。

D:Davis / J:Jecob / R:Ryan / G:Greg / Js:Jessi

――イギリスに来るのは2回目だそうですが、4月にショウケースをやったそうですね。

D:そうなんだ4月に2回ほどライブをやったんだ。イギリスは大好きだよ。とっても楽しい。

――2日前にダウンロード・フェスティバルに出たそうですが、感想は?反応はどうでしたか?

D:イギリスでフェスをやるのは今回が初めてなんだ。それも楽しかったよ。

G:上手くいったよ。僕ら他のバンドに比べると一番メタル系のバンドじゃなかったけど、その割りには、反応は悪くなかったな。かなり気に入ってもらえたみたいだった。

――ダウンロード・フェスティバルといえばメタル系のフェスですからね。抵抗はありましたか?

D:全然。僕らそれに対してあまり抵抗はないよ。とにかく観客の数は多いしね。やる価値はあると思う。観客にも楽しんでもらえたようだしさ。良かったね。

――ここでまずバンドの歴史についてまずききたいのですが、カリフォルニア出身のそうですね、コロラド出身のジェシ以外は。

D:そう。ジェシ以外は全員カリフォルニアの出身なんだ。

――まず音楽に関心がでたきっかっけから教えてもらえますか?

D:記憶のある限りいつも音楽には興味があった。子供の頃から音楽が好きで、初めてバンドを結成したのは6年生のときだった。いや5年生のときかな。全員が同じ頃からバンドをやっているんだ。全員筋金入りの音楽好きさ。

J:僕がギターを始めたのは10歳のとき。7年生のときにベースに移行したんだ。それからいろんなバンドで演奏していて、このバンドに加わったのは2ヶ月前。UKツアーの直前だった。

R:僕が音楽をはじめたのは3年生のとき。初めての楽器はクラリネットだった。11歳のときからギターを弾いているんだ。

G:僕は10歳のころからギターを弾いている。以後13,14くらいのバンドでギターを弾いてきた。多分これが最後のバンドであってほしいな。とっても満足しているから。

JS:私は13歳のころからドラムスをやっているの。5歳のときにギターを始めたんだけれど、退屈でドラムスに転向したの。バンドに参加したのはこれが始めて。

R:僕ら全員音楽好きの家庭で育ったんだ。デイヴィスやジャコブのお父さんは音楽やっているし、僕の父もドラムスやってるんだ。

G:僕の叔母も音楽が大好きで、僕ら全員子供のころからローリング・ストーンズやビートルズなどを聴いて育った。両親がそんな音楽を聞いていたからね。

――デイヴィス、あなたの名前はマイルス・デイヴィスからとったそうですが、ジャズは好きなの?

D:僕らジャズ・バンドじゃないけど、ジャズは好きだよ。全員ジャズは聴く。

――ビリー・ボーイ・オン・ポイズンのサウンドは典型的ウエスト・コースト・バンドというより、イースト・コーストまたはUKのサウンドに近いものがあると思うけれど、高校時代から皆周囲とは違っていたの?典型的なLAキッズじゃなかった?

D:そうだね。確かに僕ら典型的なロサンジェルスの連中とはちょっと違っていたね。ロサンジェルスには沢山のバンドがいるけれど、どのバンドとも自分は違っているとうか、違和感があったね。バンドをやってないときでさえ。

G:ロサンジェルスでやるよりUKでやっているほうが違和感ないね。でもロサンジェルスに仲のいいバンドはいるし、ロサンジェルスに不満はないけどね。

――皆どんな音楽から影響を受けたんですか?

D:レッドベリーにマイルズ・ディヴィス、ディステラーズ、ブラック・レベル・モーター・サイクル・クラブ、ブライアン・ジョーンズ・タウン・マサカー、デヴィット・ボウイとか。

J:デヴィト・ボウイ、クイーン・オブ・ストーン・エイジ、ブラック・レベル・モーター・サイクル・クラブ、ジャズならなんでも、その辺が全員の共通項かな。

――今どんな音楽もインターネットで簡単に聴けるようになった時代ですよね。あなたたちの音楽を聴 いていると、今出てきた名前から考えても、まさに自分の世代の音楽のほかに、60年代、70年代、80年代、90年代といろいろな年代の音楽を取り入れ自 分の音楽に反映させているように感じますが。

D:そうだね。過去の音楽からインスピレーションを得て新しい音楽とミックスしてるんだよ。

 

BILLY BOY ON POISON VOL.2

<取材・文:高野裕子>

ビリー・ボーイ・オン・ポイゾンというバンド名は、イギリスの作家アンソニー・バージェスの小説『時計仕掛けのオレンジ』に登場する名 前に由来している。この小説は極端な管理社会を未来に想定したアンチユートピアな小説で、この主人公の青年と仲間は暴力とドラッグ、セックスを生きがいに しているとうショッキングな想定。71年には英在住のアメリカの映画監督スタンリー・キューブリックが映画化し大きな話題を呼んだ。

カリフォルニア出身の彼ら。子供の頃からハリウッドやサンセット・ブルーバードに馴染み、ドラッグやアルコール中毒、家庭崩壊など、 様々な社会の現実を見つめ成長してきた彼らが感じるどこか行き所のなさ。そしてそれを自らの音楽としてポジティブな創造性に反映させようとしていり点で、 このバンド名は彼らにぴったり、と言えるだろう。

D:Davis / J:Jecob / R:Ryan / G:Greg / Js:Jessi

――全員他のバンドをやっていた経験があるわけだけれど、ビリー・ボーイ・イン・ポイズンが結成された経過について教えてもらえますか?2006年に結成されたんですよね。

D:いろいろな知り合いを通して出会ったんだ。僕はバンドが結成したくて、まず二人を選びギタリストやベーシストを何人かオーディションして選んだんだ。これまでやったバンドよりずっと上手くいってる。

――するとあなたにはやりたいバンドのヴィジョンがあった?考えていたサウンドとか。

D:そうだね。考えていたサウンドはあった。最初2曲ほど書いてみたんだ。

――それはどの曲?

D:「ユー・アー・トゥー・ハイ」と「ダーディー・ボム」だったと思う。ロックンロール・スタイルの曲だった。ロックンロールがやりた いと考えていたんだ。ロックンロール・バンドになりたかったんだ。でもイメージとか、サウンド以外のことはあまり構想がなかった。とにかくロック・ミュー ジックがとにかく演奏したかったんだ。全員ロックを聴いて育ったから。

――バンドの名前はアンソニー・バージェスの本『時計仕掛けのオレンジ』に由来しているわけだけれど、あのイメージや世界観や、そういったものもバンドのヴォジョンとして取り入れていこうと思ったの?

D:そうだね。とはいうものの、僕はバイオレントな人間じゃないけど、ビリー・ボーイズ・オン・ポイゾンという名前は、自暴自棄の失わ れた世代を象徴しているというか、同時に・・・・何と言ったらいいのかな、現代の若い世代というのは、人が考えているのとは違っているというのかな。そう いうことを意味したかったんだ。僕にとっての意味はクレイジーになった若者というのかな。僕らの世代は気が狂ってしまったというか・・・そんな意味あいが ある。例えばイギリスではどうかしらないけれど、アメリカでは12歳の子供がドラッグをやっているし、そういう現代の若い世代を象徴した意味があるんだ よ。

――まあ他の時代に生きていたわけでないので、本を読んだりヴィデオを観たりして想像するしかないと思うけれど、60年代とか70年代世代は自分たちの世代よりハッピーだったと想像する?現在のあなたたちの世代と前の世代の違いって何だと思う?

R:60年代は最初の反逆の世代だった。今は反逆がマンネリ化したと思うんだ。反逆的であることに、オリジナリティーがなくなったと思 う。過去の世代がずっと反逆してきて、過去に誰かが既に反逆した。今じゃあ僕らは何をすればいいのか?っていう、呆然とした気持ちがあるというか。

G:ってことは、反逆に反逆するのかっていう・・。

R:そう反逆への反逆。ロックンロールは死んだって言うし。じゃあロックンロールはどこへ行ってしまったのか?ってね。

――なんか難しい状況に立たされてますね。(笑い)過去の世代が反逆してきたし、じゃあ今僕たちは何をすべきなのか?とう。

D:やってみて、何が起こるか見てみよう、っていう気持ちだね。

――バンドを結成してから、ライブを中心に活動してきたのですか?それともソングライティングに専念した?

D:最初は曲を書き、それを練習した。それからライブを始めて。それから何曲かレコーディングして。まあどんなバンドもやるようなことをやったよ。

――ロサンジェルスでのライブの反応は?ファン・ベースを確立するのは難しかった?

D:ロサンジェルスでもまだ駆け出して、ファン・ベースを確立している途中だね。ロサンジェルスでやればいつも見に来てくれる人はいるけど。それがファンと言えるかどうかは定かじゃないな。だいたい皆個人的な知り合いだしね。

 

BILLY BOY ON POISON VOL.3

<取材・文:高野裕子>

マイ・スペースやら、フェイスブックやら、世はインターネット先導型の音楽シーンへと移行しつつあるが、そのなか、幸運にもレコード契 約にこぎつけた彼ら。それも『スタンド・バイ・ミー』『ロスト・ボーイズ』などで若くから活躍するハリウッド俳優、キーファ・サザランドのレーベル、アイ アン・ワークスからのデビューだ。蛇足になるがキーファのロック好きは有名で、ビンテージ・ギターの収集家で、ジミー・ペイジやアンガス・ヤングを英雄と 仰いでいる。私生活でのワイルドな行動で問題も何度が起こした、生き様もロックンロールな(?)俳優だ。その彼がこのバンドに惚れたのも、きっとあの名ソ ロの入ったツイン・ギターのせいかも?

D:Davis / J:Jecob / R:Ryan / G:Greg / Js:Jessi

――キーファ・サザランドとジュード・コールの運営しているアイアン・ワークスと契約したわけですよね。そのいきさつは?

D:ジュード・コール(キーファのレーベル運営パートナーで、自身プロデューサーでありミューシャンでもある)が僕らのライブを見に来 てくれて、凄く気に入ってくれたんだ。そこで契約したいという話が来たんだよ。ミーティングして、凄く理解のある人たちで。とっても幸運だったと思う。今 のご時勢でレコード契約できるなんて。大きなチャンスをもらったと感じているよ。

――キーファ自身が「On My Way」のビデオを監督しているんですよね。撮影はどうでしたか?

D:面白い体験だったよ。キーファはなんといってもプロだからね。撮影現場を一括して仕切っていた。

――彼は音楽をやるんですか?楽器は?

D:やるらしいよ。でも僕は聴いたことがないけれど。

――ジョニー・デップとかあの世代の俳優は、音楽好きが多いですよね。

R:噂によるとキーファはギターを弾くらしいが、あまり上手くないそうだよ。

――音楽の夢をあなたたちに託しているというわけですね。

D:そうかもね。

――最近マイ・スペースなどを通してブレイクするバンドも増えているけれど、こういう傾向についてどう思う?

D:音楽の人気が下降しているのは、ひょっとしたらテクノロジーのせいじゃないかな、って思うんだよ。僕の個人的な意見だけれどね」

R:インターネットのせいで簡単に多くの人に到達できるわけだけれど、あまりに簡単なせいで、バンドの数たるや凄いよね。中には良いバ ンドもいるけれど、多くは聴くに耐えないようなバンドで。とにかくいろんな音楽をやるいろんなバンドがいる。音楽が過剰化してるんだ。個人的に僕はレコー ド店に足を運び、良いバンドを選ぶってのが好きだな。今はそんな時代じゃなくなったね。

D:ひょっとしたら僕らは過去に拘りすぎているのかもしれないね。

――でもその過去が未来になるかも?クリックして音楽聴くよりライブがいいだろうし、ダウンロードよりやっぱり盤やジャケットを所有するというのも良いだろうし。

D:そうだね。

G:だから僕らもレコードのヴァイナル盤をリリースしたかったんだよ。

――さてもうじきデビュー・アルバムがリリースされるわけですが。

D:アメリカでは7月7日にリリースされたんだ。イギリスはいつになるのか、よくわからないけれど。

――『ドラマ・ジャンキー・クイーン』というタイトルですよね。内容的には過去3年間やってきた曲を集めたものなの?

D:そうだね、結成されて3年半になるから。

――ライブでずっとやってきたお馴染みの曲なんですね。

D:僕らにとっては実に馴染みのある曲ばかりだ。

JS:ロサンジェルスのファンにとっては聴きなれた曲ばかりよ。ファンは歌詞も知っていて一緒に歌ってくれるの。

R:今夜はアルバムに入っていない新曲も演奏する予定なんだ。

D:同じ曲ばかり演奏していると気が狂いそうになるから、新曲も2曲ほど放りこむ予定さ。

――ここで曲について教えてください。シングルは「オン・マイ・ウエイ」ですが。

G:今アメリカではアイチューンズでリリースされているんだ。

――一番古い曲は「ドライヴ・ミー・インセイン」なんですよね。あと「ハッピー・ヴァレンタイン・デイ」なんかも古いそうですが、曲の書き方は?

D:全員で書くことが多いし、それが一番てっとり早い書きかただと思う。

R:誰かがギター・リフとかを持ってきて、デイヴィスがそれに歌詞をつけて、全員が各パートをそれにあわせて付けていく。リフ、メロディー、パズルみたいに組みあわせていくんだ。

D:バンド全員が自分のパートを書くんだ。もし僕がギターについてのアイデアがでたら彼らに提案してみるけれど、それが採用されるかは別問題だね。

R:全員最高の曲にしたいから、他の人からの提案も取り入れるようにしているんだ。

――ツイン・ギター・バンドだけれど、ギタリスト同士はどうやって一緒にやっているの?

R:特に方法があるってわけじゃないんだ。なぜか上手くいくんだよ。言い合いすることも全くないし、驚きだね。

D:でもどちらがリード・ギタリストというわけじゃないんだ。

R:そう二人ともリードをとったりリズムをやったりするんだ。二人でやるのがしっくりくるというのかな。グレッグはスライド・ギターを弾いて僕はそれ以外を弾く。それで上手くいっている。

――ストーンズみたい?

R:そんな感じだね。

――アルバムにはかなり面白いソロも入っていますよね。

D:二人とも良いギタリストなんだよね。

 

BILLY BOY ON POISON VOL.4

<取材・文:高野裕子>

D:Davis / J:Jecob / R:Ryan / G:Greg / Js:Jessi

――現在英ツアーをやっているんですよね。

D:昨日はマンチェスターでやったんだ。

――どうでしたか?

D:なかなか上手くいったよ、18人くらいしかお客さんはいなかったけれど。その前はドニントンだった、今夜はロンドン。あとグラスゴウ、ヨークなんかを回る。

R:あとノッティンガムとかも。

――イギリスの地方を回った感想は?

D:景色が凄く奇麗だね。イギリスはとっても好きだよ。

――デイヴィスは詩に強い関心があるようだけれど、何がきっかけで?

D:僕ら全員だよ、詩に関心があるのは。

――ウイリアム・バロウズやアレン・ギンズバーグや。

D:僕はギングバーグの刺青をしているんだ。左腕を見せてくれる。「howl」の導入部なんなんだ。ここから始まってこっちへ・・・(と見せてくれる)

――そもそもこれらの詩人に興味がわいたのはなぜ?

D:僕らずっと以前から60年代、70年代に取り付かれていたんだ。凄く興味があって、本を読んだりレコードを聞いたりしている。40 年代、50年代なんかにも興味がある。凄くクールな時代だったと思うな。最高の文化が生まれた時代だと思うよ。特に芸術の世界で。音楽、文学とか・・。い ろいろ。もし自分の生きる時代が選べるとしたら、僕はあの時代に戻りたいね。そう僕は過去の時代に凄く拘りを感じるんだ。

――他のメンバーも?

D:そう。僕ら音楽や本や何でも共有しているんだ。

R:洋服とか

G:下着とか(笑い)

――今回ツアーの移動時間にはどんなことしているの?

D:音楽聴いたり、飲んだり、タバコすったり。アコースティック・ギター弾いて皆で歌ったり。トランプもよくするな。僕らカリフォルニア出身の若者、人生を楽しもうとしてるんだよ。

――世界中からカリフォルニアやロサンジェルスに憧れてやってくる人は多いと思うけれど、カリフォルニアの出身で他の都市に来るってどんな感覚ですか?退屈?

D:そんなことないよ。他の都市は新鮮だよね。僕ロサンジェルスは好きじゃないから。人生20年近くも住んでいると、退屈するんだよ。特に変わったことがあるわけでもなく。憂鬱になっちゃうね。

R:ホント飽きちゃったね。

――ニューヨークへは行った?どうだった?

D:「ピアノズ」というところでライブをやったんだ。

R:イースト・ヴィレッジにある小さな会場で。

D:楽しかった。全員ニューヨークが気に入った。出来ればロンドンかニューヨークに引っ越したいな。まあどうなるかはわからないけれど。

R:僕もニューヨークは好きだな。

――ビデオも何本か作っているようだけれど、「スタンディング・スティル」のビデオは『時計仕掛けのオレンジ』みたいな股引風白い衣装、着てますよね。

D:そう、股引(笑い)あれ別に『時計~』を意図したわけじゃなかったんだ。ただ白を着たら面白いんじゃないかと思ったんだ。

――アイデアは自分たちで出すの?

D:そのビデオのアイデアは僕らのものだ。友達が監督して作ったんだ。

――今年の計画は?アルバムがリリースされた後の計画は?

D:可能な限り沢山の人の前でライブがやりたい。特にオフィシャルな計画はないんだ。

最後にデイヴィスの腕のひじから手首にかけて入っている刺青は以下のとおり。ビリー・ボーイ・イン・ポイゾンの方向性を象徴しているような、内容だ。

HOWL For Carl Solomon
吠えるby アレン・ギンズバーグ

I saw the best minds of my generation destroyed by madness, starving hysterical naked, dragging themselves through the negro streets at dawn looking for an angry fix, angelheaded hipsters burning for the ancient heavenly connection to the starry dynamo in the machinery of night,

僕は見たのだ、僕の世代のもっとも優れた人間たちが、狂気に潰され、腹を空かせ、興奮して裸のまま、一発の妬けるようなヤクを求めて夜明けの黒人街を足を 引きずっていくのを、夜の機械のきらめくダイナモの星とのいにしえの至福のつながりを焦がれる無垢のヒッピーたち