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サッカー少年がバンドに目覚めるまで ~ザ・ミュージック、デビュー前秘話~ 音楽に目覚めた少年時代から世界中を回るロック・バンドとなった現在までを4人全員に振り返ってもらいました

2011.03.10 TOPICS

  Special
Interview 04

来日ツアーが大盛況のうちに幕を閉じたザ・ミュージック。今回L.I.T.では特別インタビューとして、音楽に目覚めた少年時代から世界中を回るロック・バンドとなった現在までを4人全員に振り返ってもらいました。

<インタビュー:青山晃大(Wonderkind)>

――子供の頃はサッカー少年だったって聞いたんですが…。

アダム:向こうの2人(フィル/Dr.とロブ/Vo.)はね(笑)。

――最初に音楽に目覚めたきっかけは何だったんですか?

アダム:オレは両親と兄弟の影響で小さい頃から音楽が大好きだったよ。

ロブ:サッカーで怪我しちゃって(笑)。それで「もう音楽しかない」って思ったんだ。

――「怪我したから音楽」っていうのは、すごい理由ですね(笑)バンドを組んで自分たちの音楽を作ろうと思ったのは何で?

アダム:ただ小さい頃から音楽が好きだったから自然にそうなったんじゃないかな。音楽に対する情熱を共有できる仲間と一緒に音楽を作る 喜びっていうのを発見した瞬間は大きかったと思う。最初はその頃好きで聴いてたバンドを参考にしながらやっていって、その中からとても良いモノが生まれた 瞬間は他に比べられないくらいの大きな喜びを感じてたよ。

――バンドを始めたばかりの頃、どんな気分でプレイしてたの?

ロブ:周りが皆似たような事ばっかりやってる中で、自分たち4人だけが全く違う事をやってるっていう特別感があったね。なんか、俺たちだけがスペシャルなんだって感じで。4人だけが秘密を共有してるような興奮をすごく感じてたな。

フィル:オレの場合、最初はいわゆる”怒れる10代”って感じだった。ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』みたいな、それまで聴いたこ とがないような生の感情が込められてて、クレイジーなノイズで…。そういうのを真似しながら色んなモノをぶっ叩いてうるさい音を出して、自分の気持ちを落 ち着かせてた。親とか先生とか近所の人とか、周りの人を不快にさせることが一番のリラックス方法だったね(笑)。でもしばらく続けるうちに、人をダンスさ せて良い時間を過ごさせる方がもっと楽しいって気づいたんだ。

――なるほど、クレイジーなところから、みんなで共有する高揚感みたいなものを発見していったと。
よく、ギター買ったけど挫折したとか、ドラマ叩くのは難しいって人がいますけど、楽器を覚えるのに苦労はなかった?

アダム:オレは特になかった。すごく楽しかったから自然に覚えていったし。確かに最初手に取ったときはこんなの無理だって思ったけど、 実際やってみたら簡単だったよ。ムリだって言って諦めてしまう人はそんなに音楽好きじゃないんじゃないかな。オレはとにかく音楽が好きだったから、すぐに のめり込んで覚えていったよ。コードを弾いてリズム・ギターが出来るようになったら、今度は単音を弾いてリード・ギターに挑戦してって感じで。でも冷静に 考えればリズム・ギターもリード・ギターも全然違いはなくて、楽しんで弾くことが一番大事なんだよね。

フィル:オレはすごく苦労したよ。ギターにしたって、4年近く練習してたけど全然上達しなくて…、その頃アダムやスチュに出会ったら (ギターを)初めてたった6ヶ月とか言ってて、その時は死にたいくらいイヤになったもんだよ。ドラムも6・7年練習してやっと何とか形になったって感じ で。練習と忍耐が必要なんだと思う。

ロブ:オレたち自分を他のバンドより上手いと思ったことないんだ。ただ出してた音が他のバンドと違っててユニークだったのと、4人のケ ミストリーが上手くいってたのが良かったんじゃないかな。上手い下手なんて気にした事もなかったし、ただ自分たちが楽しんでやってただけで…。他の人に良 いって言われて初めて自覚したって感じだったな。

――ちなみに、LITの編集長(=FJSH)はギター挫折者だそうです。彼は音楽への愛と忍耐が足りなかったのかもしれない(笑)
初めてライヴしたのは何歳の時でしたか?

フィル:16歳だったかな、たぶん。まだ学校に通ってたよ。

――日本だとライヴハウスや練習用のスタジオ使うのに結構お金がかかったりするんだけど、その辺の苦労はなかったの?

アダム:両親がすごく熱心にサポートしてくれたからね。子供がやりたい事をやってる姿をすごく誇りに思ってくれてて、本当に助かったよ。

――「そんな理解あるご両親が俺もほしかったよ・・・」とLIT編集長が聞いたらいいそうです。
初めて自分たちのレコードを作った時の感想は?

スチュ:すごく誇りに思った。学校で自分たちが楽しむためにだけやってた音楽を、本当に世界に送り出せるって思ってすごくワクワクしたな。

ロブ:その前までは親に聴かせてどうこう言われてただけだったのが、たった3~4年で一つの会社が皆でサポートしてくれるようになって…、そこの変化はすごく印象的だったな。

――今後バンドとしてどういう風なキャリアを積み重ねていきたいと思いますか?

アダム:とにかくバンドとして結束してやって行きたいとしか言えないな。これからも音楽を作り続けて、より良い音楽を目指していって…、その中でこの4人が強い絆で結びついているっていう事が何よりも大事だと思う。