ICE 30th Anniversary Live 『Thank you』 In EX THEATER ROPPONGIライブレポート
伝説のギタリスト宮内和之が降臨、時空を超えてICE奇跡のスーパーセッションが実現
2024年3月17日、ICEのワンマンライブ 『Thank you』 -ICE 30th anniversary-東京・六本木 EX THEATER ROPPONGIで開催された。チケットはソールドアウトし、30周年アニバーサリーとしてのファイナルライブを現場で共有したいと願うICEファンで会場は満員となった。
ICEは30th Anniversaryとして2022年末から発掘盤、再発盤のリリースが活発化。初期の未公開音源を集めた『ICE Early Years [1990-1992]』がアナログとCDでリリースされ、初期のアルバム8作品もアナログでリリース、さらにシングルを収録したCD『ICE Complete Singles』もリリース、今年に入り1月には映像作品集『Complete Singles MOVIES』そして、3月13日には、ヴォーカル国岡真由美が選曲した歴代のアルバム収録曲と未発表曲で構成されたベストアルバム『THIS IS ICE』をリリースしたばかりである。
開演時間を迎えると、バンドメンバーの山下政人(Dr)、小川真司(B)、崩場将夫(Key)、田口慎二(G)、大石真理恵(Perc)がステージに。インストメンタルの「KM JAM#3」でライブはスタートした。
続いて、柴田章子(Cho)、鈴木精華(Cho)、そしてICEのヴォーカリストの国岡真由美がステージに登場。彼女が1993年のファースト・アルバムに収録された「PRECIOUS LOVE」を歌いだすと、会場は一気にICEワールド全開の空気感に染まった。続いて、昨年12月にICE30年目の新曲として配信で発売された、ソウルでファンキーなナンバー「FLYIN’ HIGH」
をプレイした時には、ホール全体が完全に90年代のあの頃へタイムリープした感覚を感じた。その後も「INTO THE SUN」、「Memories」、「KISS YOUR LIPS」、「SONGBIRD」、「WERE YOU THERE」と次々に最新アルバムの『THIS IS ICE』に収録されているナンバーを演奏し続けた。昨年のシングル楽曲を発売順に畳み掛けたライブとは、対局となるレアな楽曲で構成されたセットリストは、まるで宮内和之が遺した珠玉のメロディーを国岡真由美がこの先へ歌い続けて行く静かなる決意表明にも感じとれる展開であった。
そして、本日のゲストミュージシャンである田中義人(G)と山下航生(Dr)をステージに呼び込み、昨年、KREVAの武道館ライブへ参加することになったエピソードを披露して、
「MELLOW BLUE」を歌唱した。
国岡真由美がMCで「30周年に未発表曲も発表出来て宮内君も喜んでいると思う」「すべて宮内君に守ってもらって、私も頼って。だから、ひとりになって自分なりに頑張ったかな。ずっと一緒にやってくださっているスタッフ、メンバーみんなのおかげです。」と語り、30周年アニバーサリーのファイナルライブのタイトルを『Thank you』と名付けた事が心底納得できた瞬間でもあった。そして、本編のラストは「kozmic blue」あっという間の17曲。
そして、本日最大のサプライズは、アンコールに用意されていた。ローディーが宮内和之のギターを定位置にセッティングするとピンスポットにギターが照らしだされ、そして、大きなスクリーンには、宮内の後ろ姿が映し出された。その後、メンバーがステージに登場してスクリーン上の宮内和之とステージのICEバンドがシンクロする形で「LIVIN’ IN THE CITY」がスタートした。ギターに関しては、ステージ上にはギタリスト田口の姿はなく、過去のライブ音源から宮内のプレイを抽出したものが流れ、スクリーンには全力でギターを奏でる宮内のライブでの名場面が映し出され、まさに宮内和之が降臨して現バンドとのセッションしているような光景を目の当たりにしたファンの中には、涙腺が崩壊する人が続出した。そして、「NO-NO-BOY」まで、これがICE。THIS IS ICEの証明みたいな奇跡のセッションは続き、会場のボルテージはマックス状態に達した。
さらに、ステージに田口慎二(G)とゲストミュージシャンの田中義人(G)と山下航生(Dr)を国岡が呼び込みフルメンバーと宮内との奇跡のセッションが続いた。トリプルギターの凄まじい迫力で圧倒した「ANALOG QUEEN」、最後の「People, Ride On」では宮内のプライベート的な映像や笑顔が映し出され、時に、そのスクリーンに向かって演奏しているメンバーの姿がICEの30年を共に祝福している様にも見えた。
2時間以上に及んだライブは、スーパーギタリストの宮内和之が遺し国岡真由美が紡いできたICEの音楽が、この先の未来へと続いて行くと確信する事が出来たライブでもあった。
国岡がMCで「私が歌う限りICEは続いて行く」と語った言葉がずっと頭の中に残り続ける六本木の熱い一夜であった。
撮影:田中聖太郎
<THIS IS ICE >
2024年3月13日発売 ¥3,800(税抜) ¥4,180(税込)
UICZ-4669/70 (高音質SHM-CD仕様・2枚組)
「ICEの真髄は1曲では表現出来ない。アルバム1枚でも足りないかも」と宮内和之は語っていた。2023年4月にリリースされた[Complete Singles]は歴代のシングルを年代順に並べた内容だが、今回は歴代のアルバム収録曲と未発表曲から国岡が厳選した全31曲で構成される。
まさにICEの本領はここにあり、聴き進めるうちに宮内と国岡が創り出したICEの全貌が姿を表す。まるで1枚のコンセプトアルバムのようだ。
<DISC 1>
- FLYIN’ HIGH
- KISS YOUR LIPS
- PRECIOUS LOVE
- MELLOW BLUE
- FLOWER
- 17
- Ain’t, No Talkin’ To Love
- STAY
- NATURAL HIGH
- SWEET INSPIRATION
- Life Is Blues
- Take Me Away
- SOLID LOVE AFFAIR
- WERE YOU THERE
- SONGBIRD
<DISC 2>
- KM JAM #3
- COME ON EVERYBODY
- WHEN THE EAGLE FLY
- SWEETNESS
- Sausalito Callin’
(Lovers Rock Version)
- RED MOON
- Warm (so into you)
- TABOO
- Windy Lady
- SOUL LOVERS
- GOOD NIGHT
- WENDY(Namely You)
- INTO THE SUN
- EYES OF YOUR MIND
- ビューティフル・ソング
- Memories
*赤字は、未発表曲
<DISC 1>
- FLYIN’ HIGH
- KISS YOUR LIPS
- PRECIOUS LOVE
- MELLOW BLUE
- FLOWER
- 17
- Ain’t, No Talkin’ To Love
- STAY
- NATURAL HIGH
- SWEET INSPIRATION
- Life Is Blues
- Take Me Away
- SOLID LOVE AFFAIR
- WERE YOU THERE
- SONGBIRD
<DISC 2>
- KM JAM #3
- COME ON EVERYBODY
- WHEN THE EAGLE FLY
- SWEETNESS
- Sausalito Callin’
(Lovers Rock Version)
- RED MOON
- Warm (so into you)
- TABOO
- Windy Lady
- SOUL LOVERS
- GOOD NIGHT
- WENDY(Namely You)
- INTO THE SUN
- EYES OF YOUR MIND
- ビューティフル・ソング
- Memories
*赤字は、未発表曲