布袋寅泰、初のアジア・ツアーにオーディエンスが熱狂!
布袋寅泰が自身初となる台北&香港公演をおこなった。先だって成功させたドイツ、オランダ、スイス、ベルギーの4カ国8都市を巡る単独ヨーロッパ・ツアーでは各国のオーディエンスを驚嘆させ、パスポップ・フェスティヴァル(オランダ)では布袋のステージに押し寄せた2,000人が彼のギター・プレイに熱狂。さらにアジア・ツアー直前にはイタリアで2万人の観客を相手にズッケロとの再共演を果たし、その華麗なパフォーマンスが絶賛されたばかり。こうした経験を経て、世界でも類を見ない彼のギター・スタイルが初のアジア・ツアーでも遺憾なく発揮される結果となった。
台北・香港公演ともに会場は満員の観客で埋め尽くされ、多くの地元メディアや両国のトップ・ギタリスト、若手ミュージシャンが「日本一のギタリストのプレイ」を一目見ようと会場に駆けつけた。
台北公演後の香港ライブは序盤、世界リリース・アルバム『STRANGERS』収録の「Strangers」「Medusa」と重厚ド級ナンバーを連続しオーディエンスを陶酔へ導くが、布袋の表情はクールそのものだ。
インストゥルメンタル・ナンバーを2曲続けたのち、英語詞によるボーカル曲「How the Cookie Crumbles」がスタート。と同時にフロアが垂直に跳ね上がる。自身の頭上にまで真っ直ぐ蹴り上げる布袋特有“足上げパフォーマンス”に客席から驚きの声が上がる。
布袋の勢いは止まらない。中盤で披露した「New Chemical」の華麗なアンサンブルと気迫のギター・プレイでオーディエンスを圧倒したのち、世界的認知度を誇る「Battle Without Honor or Humanity」では、映画『007』や『ミッション:インポッシブル』のテーマを引用したアドリヴを展開。『キル・ビル』のテーマにもなった同曲とシンクロさせる。絶対無二の一音一音が連続し、凄烈なパフォーマンスをもって布袋は完全にフロアを掌握してみせた。
「みんな、アルバム『STRANGERS』は手にしてくれたかな?(手を挙げなかった一部の観客に対し)大丈夫、心配はいらないよ。会場を出たところで手に入るしお金を払うことができる(笑)」など、流暢な英語でのMCでは時おりジョークを放ち、親しみやすいキャラクターと神がかった演奏とのギャップにオーディエンスを沸かせる。
バンド・メンバーひとりひとりを丁寧に紹介し、ザッカリー・アルフォードがデヴィッド・ボウイの強力なサポート・ドラマーであったことに触れ、そのままボウイの「スターマン」をカヴァー。ロマンティックな布袋アレンジが施された同曲の演奏に会場全体がスゥイングを開始する。
メニューが折り返したところでファースト・ソロ・アルバムから「MATERIALS」が披露され、「BAD FEELING」、COMPLEXのナンバー「BE MY BABY」へと続くロックンロール・パーティーに、会場は天地をひっくり返したかのような大騒ぎに。終盤に向け、オーディエンスの興奮をさらに加速させた「NO. NEW YORK」ではイントロがプレイされた瞬間に大歓声が上がった。BOØWY時代からのローカル・ファンが待ちに待った瞬間を迎え熱狂する。続いた「DREAMIN’」の日本語詞を会場全体が大合唱するさまは感動的な光景であった。
本編を「スリル」で締めたバンドがステージを去る前からの大喝采でアンコールへ突入。「バンビーナ」「RUSSIAN ROULETTE」と、布袋ならではの強烈なビートとギター・プレイが聴衆を完全ノックアウトした。先におこなわれたヨーロッパ・ツアー同様、布袋のギター・スタイルは国境など関係なく、あらゆる音楽ファン、ギター・フリークスを熱狂へ導くことが証明された。
台北・香港ともに近い将来の再訪を約束した布袋と大歓声で応えるオーディエンス。昨年は活動35周年を迎え、今回新たに自身とアジアとの強い絆を得た「36年目の布袋寅泰」はほどなく、 “イタリアの至宝”ズッケロ日本公演での共演のため来日を果たす。