先月発表された、モーツァルトが作曲したとみられる未公開の楽曲「セレナード ハ長調 K 648《ガンツ・クライネ・ナハトムジーク》」（訳：とても小さな夜の歌）の3つの世界初録音が、ドイツ・グラモフォンよりデジタル・リリースされた。先週リリースされた室内楽版2種類に加え、本日よりヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によるオーケストラ版が配信されている。
 
9月19日に発表された「セレナード ハ長調 K 648《ガンツ・クライネ・ナハトムジーク》」は、モーツァルトに関する資料を収集している研究機関「国際モーツァルテウム財団」のウルリッヒ・ライジンガー博士により発見された未公開作品。モーツァルトが10代前半の頃に作曲したと思われる7つの小楽章からなる作品で、ドイツ＝ライプツィヒ市立音楽図書館のカール・フェルディナント・ベッカー・コレクションから発掘された。
 
本日配信されたオーケストラ版は、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と同楽団の元音楽監督で名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットによるもの。ゲヴァントハウス管弦楽団はこの作品が一般に発表された直後、すでに予定されていた録音セッションの一部を急遽この作品の録音に充てたという。

「97歳にして、モーツァルトの初期作品の世界初録音を手掛けられたのは、思いがけない贈り物のようでした。この作品を録音するうえで、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が最もふさわしい共演者であったのは、私はこのオーケストラと長い歴史と親密なパートナーシップを築いてきたことと、モーツァルトの楽譜がライプツィヒで発見されたからであります。個々のヴァイオリンと通奏低音による室内楽的な編成ではなく、合唱的な弦楽セクションとシンフォニックに演奏することは、少し考えなければなりませんでしたが、最終的には非常に説得力のある演奏になったかと思います。結局のところ、私たちは、同じく交響曲としての地位を確立した“姉妹”セレナード《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》の伝統を踏襲することになります。これから数多くの解釈が生まれるであろう作品の、最初のきっかけとなる録音を提供できたことを嬉しく思っています」‐ ブロムシュテット
 
すでに配信中の2つの室内楽版は、楽譜に最も忠実とされており、1つは＜ヴァイオリン2本、チェロとチェンバロ＞による録音で、オーストリアを拠点に活躍する若手日本人ヴァイオリニスト、篠山春菜が参加している。
もう1つは、「国際モーツァルテウム財団」のウィーン・ホールで録音された＜ヴァイオリン2本、コントラバスとチェンバロ＞によるもの。この演奏映像はドイツ・グラモフォンの音楽・映像配信サービス「ステージプラス」で配信されている。
 

『モーツァルト：セレナード ハ長調 K 648《ガンツ・クライネ・ナハトムジーク》』（オーケストラ版）
2024年10月18日（金）配信

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1. I. Marche
2. II. Allegro
3. III. Menuet [I] – Trio
4. IV. Polonaise “Boloneso”
5. V. Adagio
6. VI. Menuet [II] – Trio
7. VII. Finale. Allegro

演奏：ヘルベルト・ブロムシュテット指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

『モーツァルト：セレナード ハ長調 K 648《ガンツ・クライネ・ナハトムジーク》』（2つのヴァイオリンとコントラバス、チェンバロ版）
2024年10月11日（金）配信

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1. I. Marche
2. II. Allegro
3. III. Menuet [I] – Trio
4. IV. Polonaise “Boloneso”
5. V. Adagio
6. VI. Menuet [II] – Trio
7. VII. Finale. Allegro

演奏：レオンハルト・バウムガルトナー / マルガリータ・ポチェブト（ヴァイオリン）、スヴェンヤ・ドーセ（コントラバス）、オスカー・ヨッケル（チェンバロ）

『モーツァルト：セレナード ハ長調 K 648《ガンツ・クライネ・ナハトムジーク》』（2つのヴァイオリンとチェロ、チェンバロ版）
2024年10月4日（金）配信

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1. I. Marche
2. II. Allegro
3. III. Menuet [I] – Trio
4. IV. Polonaise “Boloneso”
5. V. Adagio
6. VI. Menuet [II] – Trio
7. VII. Finale. Allegro
8. I. Marche (Reprise)

演奏：篠山春菜 / ネジャ・クリナー（ヴァイオリン）、フィリップ・コンプロイ（チェロ）、フローリアン・ビルサク（チェンバロ）