『ザ・バトル・アット・ガーデンズ・ゲート』3Dサイトが公開中。バンドによる曲解説も(日本語訳掲載)。

2021.05.11 TOPICS

新作『ザ・バトル・アット・ガーデンズ・ゲート』の3Dサイトが公開中です。

https://explore.thebattleatgardensgate.com/
ENTER⇒CONTINUE⇒鍵のマークをクリック

“ガーデンズ・ゲート”を入るとそこにはアルバムのビジュアルが広がり、12の鍵が見える。鍵をクリックすると、各曲のシンボル、バンドによる曲解説、視聴リンクがある。
アルバム収録曲への理解を深めることで、あらためてアルバムを聴くことが楽しみになるだろう。

 
<各曲解説の日本語訳>

1. ヒート・アバヴ / HEAT ABOVE
“ひとつになって星の世界へ浮上”に関しては誤解の余地は無い。アルバムの冒頭ではあるけれども、『ザ・バトル・アット・ガーデンズ・ゲート』の文脈はこの「ヒート・アバヴ」をもって完結する。このアルバムは、人間性が直面する困難が主成分になっているが、そこには常に仄かな希望がある。「ヒート・アバヴ」は人類のユートピアを思い描いている。

2. マイ・ウェイ、スーン / MY WAY, SOON
「マイ・ウェイ、スーン」 は自由の歌。人はそれぞれの考え方と能力に応じて、時と手段を問わず自らのミューズを追求できるというリマインダーだ。アルバムで唯一、幾重にも重なる文脈の一端を成さない曲…いや、成しているかもしれない。

3. ブロークン・ベルズ / BROKEN BELLS
世界を目の当たりにするうちに本来の純粋さを失っていく、ということ。この世に産み落とされた時、人の魂は完璧な状態だ。が、人の手による社会の艱難辛苦に直面し、その制約等々に対応していく中で自己が痛手を負う。

4. ビルト・バイ・ネイションズ / BUILT BY NATIONS
戦争に走る男たち。地獄の入り口へと行進していく、迷える若い脱走兵の一団を追う反乱の記録。「ビルト・バイ・ネイションズ」 は軍事的権力者や殺戮マシーンの製造、戦士の精神など、難しいテーマに首を突っ込んでいる。

5. エイジ・オブ・マシーン / AGE OF MACHINE
「ヒート・アバヴ」が完璧な人間の物語(楽園の門の内側の世界)であるのに対して、「エイジ・オブ・マシーン」はその外で待ち受けるものすべて。欲望、産業、戦争産業、21世紀的催眠状態、その典型的なところを僕らは巡り歩く。つまるところ、僕らに必要なのは幾ばくかの癒し、原因からプラグを抜くことだ。

6. ティアーズ・オブ・レイン / TEARS OF RAIN
「ティアーズ・オブ・レイン」は、人の魂とより高度な力との間のコミュニケーション。希望の枯渇に苦しめられた、原初の人々の話だ。アウトロのインスピレーションになったのは、僕らのソウルミュージックへの愛情。

7. スターダスト・コーズ / STARDUST CHORDS
何気ない閃きがエネルギーを放つ時がある。この曲は基本的なコード2つをくり返し弾くうちに生まれた。そこから進化したんだ。スタジオでは何度も形を変え、結局その半分をカットして重要なイントロを付け加えた。

8. ライト・マイ・ラヴ / LIGHT MY LOVE
「ライト・マイ・ラヴ」は情熱の複雑さについて。プロデューサーのグレッグ・カースティンとの相性を試すために最初に録音した曲だった。これを経て、僕らは彼と一緒にレコードを作ることになると確信した。

9. キャラヴェル / CARAVEL
「キャラヴェル」は人間の探検好きな資質や好奇心の探求について。すべてを知り尽くすためには手段を択ばない、とでもいうような。パンデミックのさなかに、最後にアルバムに加えた2曲のうちのひとつ。

10. ザ・バーバリアンズ / THE BARBARIANS
最後にアルバムに入れたのが「ザ・バーバリアンズ」だった。これは無垢なるものの死について。戦争という産業に台無しにされる青春。

11. トリップ・ザ・ライト・ファンタスティック / TRIP THE LIGHT FANTASTIC
「トリップ・ザ・ライト・ファンタスティック」は最高次元における精神論。人は地上の存在であることを限定されてはいない、ということを改めて考えてみてほしい。無意識ながらこの曲に影響したのがキャット・スティーヴンスだった。

12. ザ・ウェイト・オブ・ドリームズ / THE WEIGHT OF DREAMS
「ザ・ウェイト・オブ・ドリームズ」は欲望の物語という形をとっている。19世紀半ばのカリフォルニアにおけるゴールドラッシュの状況に形を借りて。権力を求める人間の潤しきれない渇き。この曲のアウトロがアルバムの結びとなる。これは「Black Flag Exposition」という愛称で長くライヴで演奏してきたもので、それを踏まえて、コンセプトはそのままに熟考して膨らませた。