BIOGRAPHY

ジョシュ・キスカ Josh Kiszka (vocals)
ジェイク・キスカ Jake Kiszka (guitars)
サム・キスカ   Sam Kiszka (bass/key)
ダニー・ワグナー  Danny Wagner (drums)

米ミシガン州フランケンムース出身の4人組。ジョシュとジェイクは双子、サムはその弟、ダニーは家族ぐるみの旧友である。ブルース、R&B、ソウルのアナログ盤に囲まれて育つ。
平均年齢がまだ20歳に満たない2017年3月にデビュー・シングル「ハイウェイ・チューン」をリリース、同年5月にザ・ストラッツの全米公演のサポート・アクトとしてツアー・デビューすると、この曲は瞬く間に全米アクティヴ・ロック・ラジオ・チャートとメインストリーム・ロック・ソングス・チャートのトップを飾り、5週連続1位を獲得。同チャートではその後もさらに「サファリ・ソング」、「ホエン・ザ・カーテン・フォールズ」、「ユーア・ザ・ワン」の3曲が1位を獲得。同年11月リリースのダブルEP「フロム・ザ・ファイアーズ」は全米ハードロック・アルバム・チャート初登場1位、2019年の第61回グラミー賞で「最優秀ロック・アルバム」を受賞した。
2018年10月リリースのデビュー・アルバム『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー』は全米トップ・アルバム・セールス・チャートで1位を獲得。ほぼ休みなく世界中でツアーを続け、5大陸13カ国で246公演を完売。来日公演は2019年1月(大阪1公演+東京2公演)。
ニッキー・シックスからエルトン・ジョンまでが大絶賛し、ガンズ・アンド・ローゼズやメタリカはツアーのサポート・アクトに抜擢。クラシック・ロック・テイスト溢れる彼らの曲と優れた演奏力は、世界中のクラシック・ロック世代から彼らと同世代までのロック・ファンを虜にし、各国メディアが“ロックの未来”と大きな期待を込めて書いた。

まったく新しい、期待に溢れた、目まぐるしい世界での3年間で、彼らはいかなる想像をも超えて学び、成長した。
2020年10月、新曲「マイ・ウェイ、スーン」リリース。全米アクティヴ・ロック・ラジオ・チャートで5曲目の1位を獲得。
2021年4月、ニュー・アルバム『ザ・バトル・アット・ガーデンズ・ゲート』リリース。

 

 

サム・キスカ (bass)
バンドのベーシスト兼キーボード奏者。現在19歳のサム・キスカは12歳の頃からの独学だ。ベースを弾いていた父親から直々に教わった他、YouTubeの動画を見て学ぶことも多かった。独学のミュージシャンの多くがそうであるように、サムも好きなミュージシャン(ジェームス・ジェマーソンの影響は大きかった)の演奏ビデオを見たり、録音物を聴いたり、リフやスタイルを完璧になぞるまで練習することに延々と時間を費やして、その後に独自のスタイルを進化させた。サムはジョン・デンバーやジョニ・ミッチェルの大ファンだが、一番好きな作曲家はバッハで、その存在は彼に言わせると「メロディでは誰にも引けを取らない優秀なベースプレイヤー」ということになる。
サムはかなり飽きやすく、その度に新しい楽器を手にして演奏を覚えようとする。ベースに加えて、ギター、ドラム、マンドリン、キーボード、ハモンドM103オルガン、ハーモニカ、ウクレレ、サックスも少々独学で身につけ、これからオートハープにも手を出そうとしている。

ジェイク・キスカ (guitars)
ジェイクたち兄弟は非常に自由でクリエイティブな環境に育った。父親はミュージシャンで、家に様々な楽器を置いていた。彼はまた、チャレンジ形式の“教え方”でジェイクにギターを覚えさせた。子供だったジェイクは安物のプラスチック製ギターから始めたが、それでは飽き足らなくなって、もっといいギターを父親に頼んだ。父親は、まずはボブ・シーガーの「ナイト・ムーヴス」とジミ・ヘンドリックスの「ワイルド・シング」をそのプラスチック製ギターで弾けるようになったら、もっといいギターをジェイクに与えることを考えてもいいと言った。ジェイクはそれに従い、見返りに赤いフェンダー・スクワイアを手に入れた。やがてそれにも飽き足らなくなった彼に、父親はまた課題を与えた …今度はヘンドリックス版の「ヘイ・ジョー」と「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と「サンシャイン・ラヴ」を覚えろというのだ。そんなことが次々と続き、ジェイクはその全てを習得して、どんどん良いギターを褒美にもらっていく。彼のライヴの機材は最小限で、ペダルやエフェクターは多くない。演奏能力やギタリストとしての本来の声が掻き消されると感じるからだ。ギターの影響で顕著なのはヘンドリックス、エルモア・ジェイムス、ピート・タウンゼント、ウディ・ガスリーなど。

ジョシュ・キスカ (vocals)
ロックンロール・バンドのシンガーになるなんて、ジョシュはまったく予想していなかった。学校では演劇を学び、演劇部の芝居に出演した他、地元でミュージカルに参加したこともあるが、何よりもまずは書き手であり、物語を伝えるのが好きな人間を自認する彼がバンドの作詞者であるのは頷ける。書くだけでなく、撮影したり、ビデオの監督や編集をしたり、更にはバンドの舞台演出にも関わったりしている。ジョシュはワールド・ミュージック志向が強い。アフリカ霊歌、ネイティヴ・アメリカンの部族の音楽、そしてヒーローはハンター・S・トンプソン、アンディ・カウフマン、スタンリー・キューブリックという興味深い“ハットトリック”だ。

ダニー・ワグナー (drums)
子供の頃、ダニーは3年間ギターのレッスンを受け、続いてピアノもマンドリンもウクレレも習っている。ドラムを始めたのは、町を出ることになった従兄弟がドラムセットを置いて行ったから、とはダニーの弁だ。YouTube動画による学習に加えて、中学校で参加したバンドではドラムを叩き、高校ではジャズ・バンドに入ってギター、フレンチホルン、トランペットを学んだ。
10,000人に1人という絶対音感の持ち主であることを自覚したのも高校時代だった。彼もやはり大好きなミュージシャン(バディ・リッチとジョン・ボーナムが大きな影響源)の演奏ビデオや録音物の分析に多大な時間を費やし、その全てに導かれてダニー独自の演奏スタイルが形成されていく。重量感のある機関銃のようなドラム・リフを繰り出すダニーの姿は、ドラムキットを用いた悪魔祓いそのものだ。リンゴ・スターに殊更に親近感を覚えていて、それにはドラマーとしてだけではなく、もう一つユニークな理由がある。リンゴがザ・ビートルズに加入した時、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンとポール・マッカートニーは既にお互いを熟知していたが、リンゴはよそ者で、あの4人組に努力して溶け込まなければならなかった。それはダニーとキスカ3兄弟も同じで、しばらくの間ダニーは、永久に続くオーディションであるかのようにグレタ・ヴァン・フリートに臨み、常に向上を目指して自分をけしかけて来たのだ。しかし今となってはもう、彼らは全員が兄弟である。

 

2018年10月