BIOGRAPHY

フェイ・ウォン / Faye Wong


1969年8月8日北京生まれ。母親は歌手、父親は鉱山技師。生まれた当時は母の姓を取って「夏林(シィア・リン)」と名付けられたが14歳のときに父の姓で「王菲」と改名。幼少期から母語で歌に目覚め、高校卒業後に歌手を目指し北京から香港に移住。1989年、18歳のとき王靖雯(シャーリー・ウォン)で歌手デビューを果たすが1991年に活動を休止してニューヨークに移住、音楽と文学を学ぶ。アジア以外のバンドから多大なインスピレーションを受けて翌年帰国。

英語名を本名に近いFaye Wongと改名して発表した『カミング・ホーム』が大ヒットを記録、一気にシーンのトップに輝いた。1994年に初めて全編母語である北京語のアルバム『迷』(邦題:恋のパズル)を発表、台湾、東南アジアへの進出も果たした。中文名を本名の王菲にし、それ以降本名で活動している。また同年トニー・レオンや金城武と共演したウォン・カーウァイ監督映画『恋する惑星』(原題:重慶森林)で主演を務め、ストックホルム国際映画祭・最優秀主演女優賞を受賞。日本でもミニシアターでロングラン上映の大ヒットとなり、女優として一躍知名度を上げた。その後すぐに発表したアルバム『夢遊(胡思亂想)』には彼女のお気に入りバンド、コクトー・ツインズのカバーを2曲収録。同年の末に『天空』と『背影(討好自己)』をリリース、1995年には故テレサ・テンの作品に挑戦した『マイ・フェイヴァリット』と『Di-Dar』を発表。1996 年に発表した『アンサイティー(浮躁)』ではコクトー・ツインズが2曲をプロデュース。

その後EMIに移籍、1997年に発表した二度目のセルフ・タイトル・アルバム『フェイ・ウォン(王菲)』には中島みゆきが提供した「人間」、またコクトー・ツインズが提供した「娯樂場」も収録。1997年には」プレーステーション用ゲームソフト『ファイナルファンタジーVIII』の主題歌「Eyes On Me」や、関西方面でJ-PHONE(現SoftBank)のキャラクターを務め、フジテレビ系のテレビドラマ『ウソコイ』に主演し主題歌「Separate Ways」も提供。

その後も高い完成度の作品を発表、第41回日本レコード大賞ではアジア音楽賞を受賞。1999年3月には、日本国外を拠点としている中国人アーティストとしては初めて日本武道館でコンサートを行い、日本でも幅広い人気を獲得。90年代アジアン・ポップスの最重要人物。