ブラジル音楽界の生ける伝説、ミルトン・ナシメントとのコラボアルバムをリリース!
グラミー賞を5度受賞している実力派ジャズ・ベーシスト/シンガーのエスペランサが、ブラジル音楽界の生ける伝説ミルトン・ナシメントとのコラボレーション・アルバムをリリースすることが発表された。
今作は、約15年前に始まったミルトンとエスペランサの友情を音楽で表現した夢のようなコラボレーション作品。アルバムのプロデュースはエスペランサが務め、ポール・サイモン、ダイアン・リーヴス、リアン・ラ・ハヴァス、キャロライナ・ショーター、シャバカ・ハッチングス、チン・べルナルデス、マリア・ガドゥた豪華ゲスト参加している。
ミルトンが愛した5つの名曲、エスペランサが新たに書き下ろした2曲のオリジナル曲、ザ・ビートルズ「A Day In The Life」やマイケル・ジャクソン「Earth Song」の魅力的なカヴァーなど、ブラジル音楽と名曲達に愛情を込めた計16曲を収録。2人の象徴的なデュエットと絶妙な音楽性を聴かせながら、「若い世代が年長者とともに創作し、そこから学び、新しい世界を築くことの重要性」というテーマを届けている。
ミルトン・ナシメント&エスペランサ『ミルトン+エスペランサ』
発売日 : 2024年8月9日(金)
≫ LISTEN / BUY
1. the music was there
2. Cais
3. Late September
4. Outubro
5. A Day in the Life
6. Interlude for Saci
7. Saci (featuring Guinga)
8. Wings for the Thought Bird (featuring Elena Pinderhughes and Orquestra Ouro Preto)
9. The Way You Are
10. Earth Song (featuring Dianne Reeves)
11. Morro Velho (featuring Orquestra Ouro Preto)
12. Saudade Dos Aviões Da Panair (Conversando No Bar) (featuring Lianne La Havas, Maria Gadú, Tim Bernardes, Lula Galvão)
13. Um Vento Passou (para Paul Simon) (featuring Paul Simon)
14. Get It By Now
15. outra planeta
16. When You Dream (featuring Carolina Shorter)
『ミルトン+エスペランサ』は、グラミー賞(最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞)を受賞した『12 Little Spells』(2019) と『songwrights apothecary lab』(021) 以来となるエスペランサの新作。グラミー賞に通算11度ノミネートされ、5度の受賞を果たしているエスペランサは、これまでに8枚のフル・アルバムをリリースしており、ミルトン・ナシメントやウェイン・ショーターをはじめとする彼女のヒーローたちとの仕事に加え、Qティップ、ジャネール・モネイ、ロバート・グラスパー、テリ・リン・キャリントンなどともコラボレーションしている。
ミルトン・ナシメントは、ブラジルの誇りであり、世界中で愛されるアイコン。1960年代から70年代にかけて最も人気を誇ったブラジル人ポップ・ヴォーカリストのエリス・レジーナは、「神に声があるとすれば、それはミルトンの声だろう」とかつて断言していた。
ミルトンは60年代後半からレコードを作り始め、楽曲のテーマはプロテスト・ソングや自然界、友情、愛、人種間の融和など多岐にわたり、予測不可能なメロディー、テクスチャー、ハーモニーを生み出す類稀なアーティストとして認められてきた。
ミルトンの音楽は、今まで何世代ものアーティスト達に影響を与えてきたが、若き日のエスペランサもその一人で、ブラジル人の友人たちと夕食会を開いたときに初めてミルトンの音楽を聴いたと言う。ゲストの一人が、ミルトンがサックス奏者ウェイン・ショーターとコラボレートし、1975年にリリースした『Native Dancer』をかけたそうだ。
「私が書く曲の90%は、ミルトンのことを考えています。彼の歌声を思い浮かべるの。彼と一緒に歌うことを想像するの。彼は私の創造力の非常に重要な部分なんです」
そして思ってもみなかった夢が遂に実現した。ハービー・ハンコックの紹介でミルトンとブラジルで出会い、友情が芽生えた。2人はエスペランサのアルバム『Chamber Music Society』(2010) 収録「Apple Blossom」で初共演を果たした。
アルバムは2023年を通して制作され、プロデュース、アレンジ、エグゼクティヴ・プロデュースをエスペランサが担当。いくつかの作業はアメリカで行われたが、レコーディングの多くはリオ・デ・ジャネイロで行われた。
マシュー・スティーヴンス(ギター)、ジャスティン・タイソンとエリック・ドゥーブ(ドラム)、レオ・ジェノヴェーゼ(ピアノ)、コーリー・D・キング(ヴォーカル、シンセ)というエスペランサのコア・バンドに加え、オルケストラ・オウロ・プレット、パーカッショニストのカイナン・ド・ジェジェとロナウジーニョ・シウヴァ、ギターのルーラ・ガルヴァンとギンガなどのブラジル人ミュージシャンも参加している。
ミルトンが1969年にリリースしたオリジナルの「Outubro」は、今作に収録されているミルトンの曲の中で最も古く、最も感情的な曲のひとつ。高鳴るようなデュエットで、2人の歌声がダイナミックに響き合っている。
「Cais」は、1972年の2枚組『Clube Da Esquina』に収録されている人気曲。ザ・ビートルズの万華鏡のようなポップな野心、ジョン・コルトレーンやマイルス・デイヴィスの探検的ジャズ、西洋のクラシック、そしてブラジルの土着音楽が統合された『Clube Da Esquina』は、音楽愛好家同士の間で語り継がれるような傑作として評価されている。
ウェイン・ショーターの『Atlantis』(1985) 収録の「When You Dream」を9分間に渡って演奏したヴァージョンでは、ショーターの妻キャロライナをフィーチャー。年長者とのつながりにインスピレーションを求めたプロジェクトの力強く感動的な幕切れであり、2021年に他界したエスペランサの恩師でコラボレーターであるショーターへの敬意を表すものとなっている。
アルバムには、2曲のオリジナル曲「Wings for the Thought Bird」「Get It By Now」も収録。神秘的な間奏曲では、2人が会話を交わし、オープニング・トラックでは、この祝祭的なアルバムから溢れ出す深い喜びを分かち合っている様が感じられる。