あの大ヒット作から30年。クラプトンが再び挑んだアコースティックライブ!

 2021年、エリック・クラプトンは恒例のロイヤル・アルバート・ホールでのライブを5月に予定していたが、世界中を襲った(パンデミック)COVID-19の影響のためにキャンセルをすることになってしまった。このロックダウンの状況下で、アーティストは何ができるのか考えたクラプトンは、「ミュージシャンは演奏を続けることだ」と思い、イギリスの田舎町にバンドのメンバーを集め、無観客のアコースティックライブを行うことにした。
メンバーはクラプトンの盟友ネイザン・イースト、スティーヴ・ガッド、そしてクリス・ステイントン。プロデューサーには数々の歴史的名盤を手掛け、誰もが知るクラプトンの大ヒット作「アンプラグド」も手掛けた伝説のプロデューサー “ラス・タイトルマン”が担当。 そしてバンドは、リハーサルを行いながら、クラプトンの膨大なレパートリーの中から、エレクトリックとアコースティックの両サイドからの選曲を進めていき、最終的にクラプトン自身のルーツを探求するような選曲となった。
また演奏自体にもこだわりを見せ、通常のライブでは表現し辛いが、無観客のクローズドだからできる繊細な演奏を心掛け、メンバーがとても楽しそうにプレイをしているのを感じることができる。 ロイヤル・アルバート・ホールでのライブと続くツアーは中止になってしまったが、そのおかげで、この特別なライブを我々は体験することができることとなったのだ。

 最後に。元々この作品は「The Lady In The Balcony」(バルコニーにいる女性)という仮タイトルがついていた。そのタイトル元となった、ときおりスクリーンに映る、バルコニーからたった一人でライブを観ている女性、彼女はクラプトンの妻メリア・マッケナリーである。