BIOGRAPHY
EMILIE SIMON / エミリー・シモン
1978
年7月17日生まれ。自宅にスタジオを持つサウンド・エンジニアの父と、ヘア・ドレッサーの母の間に生まれ、8歳の頃には、バービー人形よりスタジオの
LEDメーターやVUメーターの方が好きという環境に育つ。自宅から地下のスタジオへ向かう通路が彼女にとっての異空間への道だった。音楽を愛する両親と
よくジャズのライヴに出かけ、それぞれのミュージシャンがアドリブでソロを披露している間に、彼女は母親の膝の上で眠ることもしばしばだったという。その
後の15年間に、オーケストラ・アレンジを学んだ後、IRCAM(Acoustic/Musical Research and
Co-ordination Institute)で現代音楽について習得する。もともとポップスやハウスが好きだった
彼女の才能は、こういった楽理を加えることで、ポップ・ミュージックの世界で花開く。
24歳の時にシングル「Desert」でデビュー。イラン人とのコラボレーションや、エレクトロニカ音楽の導入等で、ビョークやケイト・
ブッシュを引き合いに出されるほどの評価を受けつつ、2003年待望のデビュー・アルバム『Emilie
Simon』でユニバーサル・フランス傘下のBARCLAYレーベルからデビュー。アルバムでは、ケイト・ブッシュを彷彿とさせる高音系のロリータ・ヴォ
イスとエレクトロニカのマリエッジが至るところに見られ、ケルティック・ハープ、ヴァイオリンなどのアコースティックな楽器から、電子的な合成音、水の流
れる音等の身近な音を使い、 エミリー独特の世界を表現している。加えて、イギー・ポップの「I want to be your
dog」をカヴァー、ミキサーには
ブライアン・イーノやビョークとの仕事で知られるマーカス・ドラヴスが参加。その結果、フランスのグラミー賞にあたる
第19回のヴィクトワール賞にてベスト・エレクトロ・テクノ・ミュージック・アルバム賞を受賞(2004)。噂を聞きつけた
トリッキーがツアーの前座に起用し、アルバムにも参加させるほどのお気に入りようである。