Biography

エリザベス・ジョイ・ロウは、「輝かしい才能」(ニューヨーク・タイムス)、「本格派のアーティスト」(シカゴ・トリビューン)、「電撃的」(ダラス・モーニング・ニュース)、「成熟し、卓越した解釈者であり、知性と洞察力、誠実な品位を持つアーティスト(サウサンプトン・プレス)と、各紙で絶賛されている。

「シンフォニー・マガジン」において、クラシック音楽界の“新進の6人:注目の若手アーティスト”のひとりに挙げられた。ウィリアム・ペチェック・ピアノ・デュオ・リサイタル賞を受賞。ソリストとして、リサイタルやオーケストラとの共演でも活躍し、カーネギーホール、リンカーンセンター、92nd Street Y(ニューヨーク)、ケネディセンター(ワシントン)、サル・コルトー(パリ)、ラヴィニア・フェスティバル(シカゴ)、ソウル芸術センター(韓国)、国立芸術劇場(北京)、オリエンタル芸術センター(上海)、テアトロ・アルジェンティーノ(ブエノス・アイレス)、エイドリアン・アルシュトセンター(マイアミ)、 バンフセンター(カナダ)、メクレンブルク・フォアポンメルン音楽祭(ドイツ)などで演奏している。ピエール・ブーレーズが主催するメシアン生誕百年祭でカーネギーホール・デビューを果たし、「アーメンの幻影」を演奏した。国連メンバーのための演奏や、EG(Entertainment Gathering)、イマジン・ソリューション・カンファレンス、シウダ デ ラス イデアス、シカゴ・アイデア・ウィークなど、国際的なリーダーの集うシンポジウムでもたびたび演奏。在アルゼンチン・アメリカ大使館の支援のもと、アーティスティック・レジデンスを修了した。

ロウは多角的なキャリアを重ねており、BBC、NPR、PBS、KBSでの演奏の放送、新作の初演、多様な芸術プロジェクトやコラボレーションを行っている。

彼女のディスコグラフィーは、ソリストとしては「Images Poetiques 」(ユニバーサル・クラシックス・コリア/ドイツ・グラモフォン)、2015年にブリテンとバーバーのピアノ協奏曲を収録したアルバム(輸入盤のみ)、そしてデュオでは4枚のアルバムがあり、なかでも2012年にスタインウェイ・レーベルからリリースされた「When Words Fade」は、ビルボード・クラシック・チャートで12週連続1位を獲得した。

熱心な室内楽奏者でもあり、ダニエル・ホープ(ヴァイオリン)、リチャード・オニール(ヴィオラ)、ラルフ・カーシュバウム(チェロ)、パーカー・クァルテット、シェリー・バーグ(ジャズピアニスト)などの優れたアーティストたちと共演している。デコーダ(カーネギーホールと提携した初めてのアンサンブル)、トリオ・アリアドネ(カリフォルニアのグリーン・ミュージック・センターのレジデンス・アンサンブル)のメンバーでもある。

もっとも特記すべきは、グレッグ・アンダーソンとの「アンダーソン&ロウ・ピアノ・デュオ」における活動で、演奏や作品だけでなく、グラモフォンでフィーチャーされているブログなどのソーシャルメディア、エミー賞にノミネートされたミュージックビデオ(YouTubeで膨大な再生回数を記録)で、世界中の聴衆を魅了している。

ロウが協奏曲デビューを果たしたのは1997年のことで、シカゴ・フィルとグリーグのピアノ協奏曲を演奏し、好評を得た。以来、ハートフォード、ツーソン、サンタフェ、インディアナポリス、ミルウォーキー、コーパスクリスティ、ラボックにおいて、アルス・ヴィーヴァ交響楽団、ジュリアード・オーケストラ、ソンナム・フィルハーモニック・オーケストラ、インディアナポリス室内管弦楽団、ミルウォーキー室内管弦楽団、メトロポリタン歌劇場オーケストラメンバーなどと共演している。

シカゴ生まれの韓国系ピアニスト。13歳でイタリアのイブラ国際音楽コンクールで最優秀賞を受賞。これまでに、芸術発展のための国立財団、若者のための音楽財団、全国アジア人女性専門家協会、サムスン文化財団などから数々の賞を受賞。

ジュリアード音楽院でヨヘヴェド・カプリンスキーに師事し、全額支給奨学生として学士号と修士号を得る。トーマス・マン、マルセル・プルースト、E.M.フォースターの小説における音楽表現についての論文により、優秀な成績で卒業した。

スタインウェイ・アーティストであり、ソロスのフェロー。ロウが使命としているのは、インスピレーションや喜び、そして音楽における本質的な人間性で人とつながっていくことである。


2016年現在
訳:高坂はる香