吹き替え当時は13歳!石橋陽彩さんがピート・ドクター氏と対談――ディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』の主人公ライリーの思春期の感情とピクサー音楽の魅力に迫る
世界中に感動作を届け続けるディズニー&ピクサー最新作は、どんな人の中にも広がっている“感情たち”の世界を舞台にした『インサイド・ヘッド2』。すでに公開中の世界各国では、歴史的大ヒットを記録! 日本では8月1日(木)劇場公開です。
前作『インサイド・ヘッド』(2015)で描かれたライリーを子どものころから見守る頭の中の感情たちに加えて、今作では思春期を迎えたことで、〈大人の感情〉たちが加わります。
前作で監督を務め、今作ではエグゼクティブ・プロデューサーを務めるピート・ドクター氏(ピクサー・アニメーション・スタジオ チーフ・クリエイティブ・オフィサー)が来日。ピクサー作品を知り尽くした彼と、ディズニー&ピクサーの大ファンであり、『リメンバー・ミー』(2018)で主人公ミゲルの日本版声優を務めた石橋陽彩さんの対談が実現しました。
最新作『インサイド・ヘッド2』の音楽の魅力
石橋
ディズニー&ピクサーの大ファンなので、今日の対談をとても楽しみにしていました。ピクサー作品では音楽がとても重要な役割を果たしていると思います。そこで、まず『インサイド・ヘッド2』について、音楽を中心にお話をお聞かせください。
ピート
今作の作曲家は、前作『インサイド・ヘッド』を手がけたマイケル・ジアッキーノのパートナーであるアンドレア・ダッツマンです。前作の楽曲をうまく織り込みながら、『インサイド・ヘッド2』の曲を作ってくれました。
石橋
音楽制作チームとの作業では、音楽でライリーの思春期を表現するために参考にしたことや意識したことはありますか?
ピート
この作品に関わった人たちはみんな、とくに思春期の頃に忘れられない思い出がある人ばかりだったんですよ。
作曲家のアンドレアから聞いて驚いた仕掛けがあります。ライリーのテーマ曲があり、ホッケーのシーンから始まるのですが、物語が進むにつれ音楽もシンパイに取って代わるんです。そして最後にヨロコビのテーマと合致する。最初は相いれなかったそれぞれの音楽が最後に一緒になるので、その音楽の仕掛けを知っているとエンディングでさらに感動できると思います。
石橋
試写を拝見してすぐ、もう一度見たいと思っていたのですが、今のお話を聞いてますます見たくなりました! うまく合致するというのは、曲調が似ているということでしょうか?
ピート
キーが一緒で……今は歌わないほうがいいですよね(笑)(鼻歌を歌って……)。音楽用語は詳しくないのですが、うまく合うんですよ。
石橋
『インサイド・ヘッド2』を拝見した後、とくに気になった感情が今回新しく加わったシンパイで、いつ自分の心に宿ったのだろうと考えたら、ライリーと同じ年頃だったと気づきました。僕は小さな頃から歌やダンス、お芝居をしていて、子どもの頃はヨロコビの気持ちが強かったのですが、中学校に上がる頃から予期せぬ出来事を考えてしまうシンパイの感情が出てきたんです。映画を見て、ライリーに共感する点がとても多くありました。
ピート
私たちはみんな同じだと思います。思春期ぐらいになると環境が変わり、新しい世界に身を置く機会が増えるでしょう。そこに自分はなじめるのだろうか、うまく属することができるのだろうか、という気持ちが生まれるもの。でもそれがあるからこそ頑張れるので、悪いことばかりではないんです。シンパイのように頑張りすぎちゃうこともありますよね。
『リメンバー・ミー』(2018)の思い出
石橋
僕が『リメンバー・ミー』でミゲルの吹き替えをしたのは、13歳のときでした。
ピート
大人になった今『リメンバー・ミー』を見ると、画面から自分の声が聞こえてきたときにどんな感じがしますか?
石橋
ミゲルの吹き替えは変声期の前の声なので、今聞くと自分なんだけど自分じゃない、みたいな不思議な感覚です。
ピート
実はアメリカ版の『インサイド・ヘッド』では、ライリーのパパの頭の中にいるイカリ役を、私が担当したんです。それを見てもまったく自分だと感じないので、石橋さんの気持ちがよくわかります。
石橋
自分が演じたキャラクターを見るのは不思議な感覚ですよね。
ピート
キャラクターを自分の一部として昇華し、表現しているわけですからね。
石橋
『リメンバー・ミー』はピクサー初の長編ミュージカル作品ですね。
ピート
ピクサーは『トイ・ストーリー3』(2010)以降しばらく、歌の多い作品は作っていませんでした。当時はディズニー・アニメーション・スタジオがミュージカル作品を多く手がけていたので、控えていたのです。頃合いを見て、音楽をふんだんに使った『リメンバー・ミー』を作りました。
石橋
僕は「リメンバー・ミー(エルネスト・デラクルス・バージョン)」が好きなんです。デラクルスは悪いやつですが、彼の歌が作品全体の音楽性に彩りを添えているように感じました。ピートさんは、『リメンバー・ミー』の中でお好きな曲はありますか?
ピート
『リメンバー・ミー』の制作時はメキシコまで行き、現地でマリアッチの演奏を録音するなどして本場の音をしっかり取り入れたので、音楽を深く味わえる作品になっています。どの曲も好きですが、石橋さんが歌われた「リメンバー・ミー」は、『インサイド・ヘッド』に登場するCMソングのように、頭から離れない曲ですね。
6月14日(金)から全米をはじめ世界各国公開され、アニメーション史上世界歴代No.1オープニングを記録し、さらにその勢いは衰えることなく、ピクサー史上世界歴代No.1の興行成績を打ち立てるなど世界中で大ヒットをしている『インサイド・ヘッド2』は、いよいよ8月1日(木)日本公開です!また、劇中を色鮮やかに彩る『インサイド・ヘッド2』オリジナル・サウンドトラックUS版もデジタル配信中。映画を観る一足先に音楽で『インサイド・ヘッド2』の世界観をお楽しみください!
石橋陽彩さんが歌う「リメンバー・ミー」も収録されたピクサー音楽のベスト盤『ピクサー・ベスト』もCD発売中/デジタル配信中。
【商品情報】
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【映画情報】
『インサイド・ヘッド2』 8月1日(木) 全国劇場公開
【STORY】
どんな感情も、きっと宝物になる──この夏、あなたの中に広がる<感情たち>の世界へ。頑張り屋の少女・ライリーは、高校入学という人生の転機を迎えるが、部活も友人関係もすべてがうまくいかず戸惑ってしまう。そんな彼女の頭の中に現れたのは、大人の感情・シンパイたち。彼らに子供の頃からの感情・ヨロコビたちを追放され、ライリーに<感情の嵐>が訪れる。大人になると、ヨロコビは失われていくの…? 自分らしさを失ったライリーを救うカギは、広大な世界の奥底に眠る“ある記憶”にあった──。
<監督メッセージ>
「この映画は、自分自身を受け入れることをテーマにしています。
ダメなところも含めて、自分を愛すること。誰しも愛されるために、完璧である必要はないのです。」
『インサイド・ヘッド2』監督 ケルシー・マン
『インサイド・ヘッド2』公式サイト
https://www.disney.co.jp/movie/insidehead2
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