BIOGRAPHY
Clifford Curzon クリフォード・カーゾン
《ペルシャの市場にて》で有名なケテルビーの甥に当たるイギリスのピアニスト、サー・クリフォード・カーゾンは、シュナーベルのもとで研鑽を積み、1939年のアメリカ・デビューで大成功を収めて以来、欧米での評価がますます高まり生涯、神の様に尊敬されました。その功績により、ピアニストとしては唯一”サー”の称号を与えられています。録音嫌いだったために、残された数少ない録音は一枚一枚が貴重な宝物といえます。とりわけセルとの共演によるモーツァルトの協奏曲は超弩級の貴重盤で、1964年に録音されていながら、今回初めて国内盤としてリリースされるものです。
彼は師匠シュナーベル譲りにモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなどドイツ・オーストリア系の作品を得意とし、その透明な音色と品格ある音楽性で圧倒的な支持を得ました。ブラームス、シューベルト、他のアルバムでも、作品の隅々までを知り尽くし心で最高の理想を追い求めるアーティストのみが実現できる、内的な心に響く音楽を聴かせてくれます。