ベートーヴェン生誕250周年記念サイト ベートーヴェン生誕250周年記念サイト

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聴覚障害のヒップ・ホップ・ダンス世界チャンピオンが、ベートーヴェンの《運命》を踊るミュージック・ビデオが公開。

2020.03.03 TOPICS

3月3日、WHOの「世界聴覚デー」に合わせて、クラシック音楽の老舗レーベル「ドイツ・グラモフォン」が、今年生誕250年を迎えた大作曲家ベートーヴェンの傑作《運命》のミュージック・ビデオを公開した。

コラボするのは、ドイツのヒップ・ホップ・ダンスのチャンピオンであり、女優、ダンス教師、振付師でもあるカサンドラ・ヴェデル。彼女自身が確立した独特のダンス・スタイルでベートーヴェンの魂を蘇らせている。

ヴェデルの表現力あふれるドラマティックな振付とシンクロされる音源は、交響曲第5番《運命》の第1楽章。1977年録音のヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による名盤だ。ヴェデルはベートーヴェンの音楽の力強さと激しさを独自に解釈し、ダイナミックかつ表情豊かな動きで表現しながら、音楽のさらに深いところに横たわっている振動までもあらわにする。

ベートーヴェンが20代後半から聴力を失い始め、晩年にほぼ聴覚を失ったことは有名な話だが、ヴェデルも3歳の時の交通事故で聴覚を失った。しかし内面にある聴覚と触覚を駆使してダンスを続け、そこから得た豊かな経験を他者に伝えることに熱意を感じている。

 「このプロジェクトがわくわくするのは、ベートーヴェンは耳が聞こえなくなってもそのせいで作曲するのをやめなかったから。私も良く似た経験をしていて、自分を重ね合わせることができるんです。だから私も踊るのをやめません」とヴェデルは語る。「ベートーヴェンにとって耳が聞こえないことは、精神的な苦悩とそれに伴う現実的な問題を象徴していたと思います。でもその苦悩に立ち向かうことで、自分の内面から聴くということを学んだのではないでしょうか」またベートーヴェンの音楽が特別なのは、すさまじいほどの多様な感情がその中に含まれているからなのだと言う。「愛、怒り、悲しみ、すべてがあります。だからこそこんなに多くの人に愛されるのでしょう」。

今年の「世界聴覚デー」では、交響曲第5番に込められた感情がヴェデル独自の解釈で表現される。世界中の視聴者がそれを目撃することになるだろう。ベートーヴェン同様に逆境を乗り越えた彼女だからこそ、彼の天才性と彼の音楽の豊かな人間性がいかに普遍的なものであるかを、我々に伝えることができるのだ。

▼ 視聴はこちら
https://www.beethoven-playon.com/kassandra

Deaf Hip-Hop World Champion Dances Beethoven Symphony No. 5

 
ダンス:カサンドラ・ヴェデル
楽曲:ベートーヴェン:交響曲第5番第1楽章
演奏:ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(録音:1977年)


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