BIOGRAPHY

「私はゆっくりとしたスポンジのようなもので、あらゆるところからアイデアを取り入れ、最終的に自分の音符を見つけたとき、それが正しいものだとわかるの」

カリフォルニア生まれのカーラ・ブレイは、作曲家としてのオリジナリティ(彼女は独学で学んだ)を、曲を書くための「正しい」方法と「間違った」方法に対する至福の無知によるものだと語ったことがある。彼女の初期のお手本はセロニアス・モンク、エリック・サティ、マイルス・デイヴィスなど、少ない音符で多くのことを成し遂げた人たちだった。しかし、ブレイの作品には、壮大な “クロノトランスダクション”『エスカレーター・オーヴァー・ザ・ヒル』のような最大主義的な作品や、『ファンシー・チェンバー・ミュージック』のアルバム、ビッグバンドのための多くの気骨ある作品も含まれている。ナット・ヘントフは、「彼女のジャズ・ビッグバンドのための楽譜は、デューク・エリントンとチャールズ・ミンガスの楽譜に匹敵するもので、憧憬の叙情、爆発的な高揚感、その他人間の状態の表現において唯一匹敵する」と述べている。

ブレイは40年にわたり、ECMの兄弟レーベルであるWATTに彼女の音楽を記録してきたが、最後のトリオによる3作はECMからのリリースとなる。