ファンからの動画投稿を募集!

2020.04.29 TOPICS

ア・クワイエット・シーン(静かなる風景)

ロジャーとブライアンのイーノ兄弟は、新たな〈ミキシング・カラーズ映像プロジェクト〉への、ファンからの動画投稿の募集を開始。

兄弟のデュオによる初のアルバム『ミキシング・カラーズ』に続いて、ロジャーとブライアンのイーノ兄弟は、新たなウェブサイト www.mixing-colour.comへ外出禁止令に見舞われた世界の動画を投稿するようファンに呼び掛けている。その中から11の映像を選び、『ミキシング・カラーズ』からの音楽の公式ミュージック・ビデオとして使用する。アイディアのもととなったのは、ブライアン・イーノが制作した4曲のミュージック・ビデオ――〈セレスト〉〈スロー・ムーヴメント:サンド〉〈ウルトラマリン〉〈ブロンド〉だった。これはブライアン・イーノが、ミュージシャンでソフトウェア・デザイナーでもあるピーター・チルヴァースと共同で制作したものである。この一連の作品には、全体を通して静穏な雰囲気が漂い、それがゆっくりと変化していく夢のパノラマのような瞑想的イメージと、重なりあう。

現在、世界中で外出禁止の日々が続く中で、これらのビデオは、まさにタイムリーな実感として胸に迫るものがある。イーノ兄弟の作品は、わたしたちに新たな力をあたえると同時に、現在の私たちがまさに体験している閉ざされた世界をも記録しており、聴く者の胸に迫る。「ぼくらは、みなさん一人一人に、もうあと数週間のあいだ、なんとか心穏やかな時間を体験してもらえればと望んでいます」と、2人は語っている。「家の中で、あるいは窓越しに、さもなければ庭の中で。雲が通りすぎていく空、巣にこもる小鳥たち、こすれあう木の葉、家事にいそしむ家族、そんな穏やかな時間を、私たちはみんな誰かと一緒に、あるいは一人で、楽しんでいるのです」

このビデオの長さは3分から5分、望ましいのはスローモードで撮影してから、YouTube、Vimeo、Instagramなどにアップロードすること。参加希望の場合は、www/mixing-colours.comからエントリーできる。イーノ兄弟がその中から映像を選び、このプロジェクトを完結させる予定。ブライアン・イーノとピーター・チルヴァースのさらなるコラボレーションも予定されている。

オブザーバー紙のキティ・アンパイアは、アルバム『ミキシング・カラーズ』の4つ星レビューで「ゆっくりと糸がほどけていくような、なにかが増殖していくような気配を感じさせる美しさは、この不穏な日々の中で、癒しをあたえてれくる」と記した。『ミキシング・カラーズ』は、視覚的な要素とも相まって、現在人びとが置かれている状況に強く訴えかけ、聴き手の心を深く結びつける。そして気持ちに寄り添うようなその音色もまた、愛にあふれている。

ロジャー・イーノは、『ミキシング・カラーズ』について、こう語っている。「このアルバムは聴けば聴くほど……、とくにブライアンが創りだした素晴らしい世界は、まるで自分が実際に足を踏み入れたことのある壮大な風景のように感じられます」私たちのまわりにある風景は、これまで以上に限界が進んでいる。ファンたちは、現在のより制限された景観に価値を見出し、それを世界中で共有するよう誘われている。いまの世の中がどうあろうと、私たちはこれまで以上に手をたずさえて、大切なものを守らねばならない……とりわけ音楽においては。