商品紹介
ビリー・バンバン約1年ぶりの全曲新録音アルバム!
先行シングル「君の詩」、テレビ朝日系月曜時代劇「八丁堀の七人」主題歌「春夏秋冬」収録。
=====<収録曲>================================
◆01. 君の詩(作詞:葉山真理・菅原進/作曲:菅原進)
旋回するコウノトリの映像が印象的な「いいちこ」CMソング。「ぴあ」誌の読者モニターによる週間「満足度ランキング」で、林明日香、平川地一丁目、倉木麻衣といった強力メンバーを抑え、ゆず、藤井フミヤに続く第3位にランクインした。他年代に比べ20代のリスナーの支持が最も多かったというのも、この曲のポテンシャルの高さを証明している。「懐かしさと新しさを併せ持った、僕ららしい曲に仕上がった。詞には、最近自殺する人が多いこともあり、命を大切にしてほしいという願いも込めた」(進)
◆02. 春夏秋冬(はるなつあきふゆ)(作詞:葉山真理/作曲:森正明)
1月16日からオンエアが始まったテレビ朝日系:月曜時代劇「八丁堀の七人」(片岡鶴太郎、村上弘明、萬田久子ら出演)のエンディング・テーマ。イントロなし、アルペジオに載せて歌い出されて徐々に盛り上がり、そしてまた静かに終わっていく構成に唸らされる。「君の詩」にも通じる60年代的なメロディーが美しい。
◆03. 君には君しかないのだから(作詞:岡田冨美子/作曲:楠瀬誠志郎)
セルフ・カヴァー。16 ビートに乗ったビリー・ジョエル調のピアノが印象的だ。楠瀬誠志郎ならではのポジティヴなメロディがビリバンによくマッチしている。
◆04. IF(作詞・作曲:David Gates/日本語詞:岡田冨美子)
70年代前半を代表するソフト・ロック・バンド、ブレッドの大ヒット曲。1971年(昭和46年)4月、全米最高位4位を記録。原語のニュアンスを生かしたスペイシーな歌詞を、シンプルなサウンドで淡々と歌い上げているが、これがグッとくる。「熱唱」「熱演」とは無縁なのが、ビリバンの魅力なのだ。
◆05. 虹とともに消えた恋(作詞・作曲:Milt Okun、Paul Stookey、Mary Alin Travers、Peter Yarrow)
もともとはアイリッシュ・トラッドで、60年代にピーター・ポール&マリーがヒットさせた。「シュー・シュー・シューラールー」と歌われる部分は元々はゲール語の「Siuil a Run」で、その意味は旅に出る人に対して無事を祈る言葉なのだそう。PPNの英語詞は「ジョニーは戦場へ行ってしまった」という部分が付け加えられて、反戦歌となっている。原語ヴァージョンは、エンヤのお姉さんが在籍しているグループ「クラナド」も歌っている。今回のビリバン版は、歌詞はPPM版だが、アレンジは元々のアイリッシュ風味を生かしてある。
◆06. 花のほとり(作詞:松井五郎/作曲:菅原進)
今回のアルバムには、作詞パートナーに松井五郎を初めて迎えたナンバーが2曲収録されていて、そのうちの1曲。歌詞はいかにも松井ならではの、濃厚な艶っぽい世界が展開されるが、ビリバンが淡々と歌うことで、さらにドキリとさせられる。これが40年近いキャリアの力というものか。
◆07. 白いブランコ(作詞:小平なほみ/作曲:菅原進)
何も言うことはない、ここからすべてが始まったナンバー。今回はシンプルなアレンジで歌われ、元々の楽曲の良さがさらに際立つ仕上がりになっている。「浜口先生の自宅に白いブランコがあって、僕がそれをイメージして作った。レコードになる前、ニッポン放送でデモテープをかけてくれたらこれが大反響、急きょデビューが決まりました」(進)。当初はデビュー盤のA面はハマクラ先生、「ブランコ」はB面の予定だったが、ハマクラ先生が「僕はB面でいいから」とA面に。結果、ミリオンセラーとなりハマクラ先生は当時30万した「マーチン」のギターをプレゼントしてくれた。「フェリス、聖心、白百合、東洋英和と名門女子大ではナンバーワンの人気、モテまくった」(進)。モテる。これもまた、ポップスの限りない魅力の一つである。
◆08. ボクらはいつも片方の靴(作詞:松井五郎/作曲:森正明)
アルバムの最後を飾るのは、松井五郎が詞を提供したもう1曲。これもまたトラッド風のアレンジで歌われるが、どこまでもポジティヴな内容が聞く者に勇気を与えずにはおかない。
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2月 15日発売になるビリー・バンバンのニュー・アルバム「春夏秋冬(はるなつあきふゆ)」。まさに「珠玉」というべき全8曲、聞く者をグイグイと引き込む濃密な33分余があっと言う間に過ぎていく。
かの小田和正は57歳でアルバム「そうかな」でオリコン・チャート1位を獲得、話題を集めたが、本作製作時に於いて、兄の菅原孝は61歳、弟・進も59 歳。フツーの会社員ならボチボチ定年の声がかかるところだが、生まれついてのポップス職人である二人にはまったく関係ない。「春夏秋冬」は、「そうかな」に勝るとも劣らない、ポップス好きなら誰が聞いても唸らされるに違いない、年齢を超越した傑作に仕上がった。
青春の甘さ、年齢を経ることの苦さ、目の前に広がる夢、既に失われた夢、そしてピリッとしたユーモア…。ポップスに欠かせない要素がギュッと濃縮され、そこかしこにちりばめられている。心地よいリバーブに酔ううち、オジサン二人の術中にはめられていることに気づく。しかしそれは決してネガティヴなものではなく、何者にも代え難い音楽的体験=ポップスの魔術なのだ。
ビリー・バンバンの音楽は、60年代のフォーク・ブームに乗ってデビューを果たしたというそのキャリアから考えると、いかにも「若者」の音楽というレッテルを貼られがちだが、デビュー時からこれほど「大人」であったアーティストもいないと思う。
菅原孝、進兄弟の歌声は決まって「みずみずしい」「透明感にあふれ」と形容される。日本のミュージック・シーンでは、これは「若々しさ」「いい意味でのシロウトっぽさ」をイメージさせる言葉だろう。
もちろん「みずみずしさ」「透明感」だけを売り物にして、ごく短い間人気を得るアーティストだって数多くいる。しかし、ビリバンのように実に35年の長きに渡り(途中活動を停止していた期間はあるにしても)、歌い続けるということは、「みずみずしさ」や「透明感」だけでは、とうてい説明できないということは、お分かりいただけよう。
彼らが今日まで第一線で活動を続けることができたのは、一貫して「大人の鑑賞に耐え得るポップス」を追求してきたからだ。その陰には、彼らが敬愛してやまない師匠…日本ポップス史に輝く巨人、浜口庫之助の存在があることは間違いない。
黄色いサクランボ、バラが咲いた、夜霧よ今夜もありがとう、空に太陽がある限り…幅広いジャンルにまたがって、生涯にわたり名曲を生み出した巨匠、ハマクラさん。その名曲群すべてに共通するエッセンスを一言で言い表せば、「ロマン」ではないだろうか。今回の「春夏秋冬」収録トラックすべてに、そんな師匠譲りの「ロマン」が色濃く漂っている。ビリバンの二人もまた、事あるごとに師匠への敬愛の念を表明している。
「浜口先生には、いろいろ教わったけど、よくカカトから声を出せといわれたなぁ。立って歌っていると、後ろから背中におぶさって『ビートでオレをあげてみろ。地球の引力から外に出る力を使って歌え』って。この年になっても、先生の感触が浮かびますよ」(夕刊フジ 05年11月26日号から、孝の発言)
さすがはハマクラさん、小手先のテクニックではどうにもならない「歌声」の大切さを誰よりも理解していたのだろう。そんな巨匠に手取り足取り鍛えられた、若き日のハード・トレーニングを積み重ねた上で初めて生み出された「みずみずしさ」であり「透明感」。ビリバンの音楽が、決して一筋縄ではいかないものだということが、お分かりいただけよう。 60年代後半、代官山・猿楽町の浜口邸で養われ始めたビリー・バンバンのポップ・センスは、ダッチ・コーヒーが一滴ずつ落ちていくように、40年余りの時間をかけて蓄積され、そして2006年の今、一気に花開いた。それが今回の「春夏秋冬」である。
内訳は、オリジナルが4曲、セルフ・カヴァーが2曲、洋楽カヴァーが2曲。オリジナルはどれも驚くほど完成度が高く、またカヴァーも「その手があったか」と目からウロコが落ちるような独自の解釈が光る。二人は価値観がまったく違い、取材中も言い争いを始めることが珍しくないそうだから、これらの楽曲も徹底的に二人の間で磨き抜かれ、結果としてポップスとしての類まれな輝きを得るに至ったのだろう。
ビリー・バンバンは今、間違いなくそのキャリアの頂点にいる。
(おーくぼたろ−)
先行シングル「君の詩」、テレビ朝日系月曜時代劇「八丁堀の七人」主題歌「春夏秋冬」収録。
=====<収録曲>================================
◆01. 君の詩(作詞:葉山真理・菅原進/作曲:菅原進)
旋回するコウノトリの映像が印象的な「いいちこ」CMソング。「ぴあ」誌の読者モニターによる週間「満足度ランキング」で、林明日香、平川地一丁目、倉木麻衣といった強力メンバーを抑え、ゆず、藤井フミヤに続く第3位にランクインした。他年代に比べ20代のリスナーの支持が最も多かったというのも、この曲のポテンシャルの高さを証明している。「懐かしさと新しさを併せ持った、僕ららしい曲に仕上がった。詞には、最近自殺する人が多いこともあり、命を大切にしてほしいという願いも込めた」(進)
◆02. 春夏秋冬(はるなつあきふゆ)(作詞:葉山真理/作曲:森正明)
1月16日からオンエアが始まったテレビ朝日系:月曜時代劇「八丁堀の七人」(片岡鶴太郎、村上弘明、萬田久子ら出演)のエンディング・テーマ。イントロなし、アルペジオに載せて歌い出されて徐々に盛り上がり、そしてまた静かに終わっていく構成に唸らされる。「君の詩」にも通じる60年代的なメロディーが美しい。
◆03. 君には君しかないのだから(作詞:岡田冨美子/作曲:楠瀬誠志郎)
セルフ・カヴァー。16 ビートに乗ったビリー・ジョエル調のピアノが印象的だ。楠瀬誠志郎ならではのポジティヴなメロディがビリバンによくマッチしている。
◆04. IF(作詞・作曲:David Gates/日本語詞:岡田冨美子)
70年代前半を代表するソフト・ロック・バンド、ブレッドの大ヒット曲。1971年(昭和46年)4月、全米最高位4位を記録。原語のニュアンスを生かしたスペイシーな歌詞を、シンプルなサウンドで淡々と歌い上げているが、これがグッとくる。「熱唱」「熱演」とは無縁なのが、ビリバンの魅力なのだ。
◆05. 虹とともに消えた恋(作詞・作曲:Milt Okun、Paul Stookey、Mary Alin Travers、Peter Yarrow)
もともとはアイリッシュ・トラッドで、60年代にピーター・ポール&マリーがヒットさせた。「シュー・シュー・シューラールー」と歌われる部分は元々はゲール語の「Siuil a Run」で、その意味は旅に出る人に対して無事を祈る言葉なのだそう。PPNの英語詞は「ジョニーは戦場へ行ってしまった」という部分が付け加えられて、反戦歌となっている。原語ヴァージョンは、エンヤのお姉さんが在籍しているグループ「クラナド」も歌っている。今回のビリバン版は、歌詞はPPM版だが、アレンジは元々のアイリッシュ風味を生かしてある。
◆06. 花のほとり(作詞:松井五郎/作曲:菅原進)
今回のアルバムには、作詞パートナーに松井五郎を初めて迎えたナンバーが2曲収録されていて、そのうちの1曲。歌詞はいかにも松井ならではの、濃厚な艶っぽい世界が展開されるが、ビリバンが淡々と歌うことで、さらにドキリとさせられる。これが40年近いキャリアの力というものか。
◆07. 白いブランコ(作詞:小平なほみ/作曲:菅原進)
何も言うことはない、ここからすべてが始まったナンバー。今回はシンプルなアレンジで歌われ、元々の楽曲の良さがさらに際立つ仕上がりになっている。「浜口先生の自宅に白いブランコがあって、僕がそれをイメージして作った。レコードになる前、ニッポン放送でデモテープをかけてくれたらこれが大反響、急きょデビューが決まりました」(進)。当初はデビュー盤のA面はハマクラ先生、「ブランコ」はB面の予定だったが、ハマクラ先生が「僕はB面でいいから」とA面に。結果、ミリオンセラーとなりハマクラ先生は当時30万した「マーチン」のギターをプレゼントしてくれた。「フェリス、聖心、白百合、東洋英和と名門女子大ではナンバーワンの人気、モテまくった」(進)。モテる。これもまた、ポップスの限りない魅力の一つである。
◆08. ボクらはいつも片方の靴(作詞:松井五郎/作曲:森正明)
アルバムの最後を飾るのは、松井五郎が詞を提供したもう1曲。これもまたトラッド風のアレンジで歌われるが、どこまでもポジティヴな内容が聞く者に勇気を与えずにはおかない。
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2月 15日発売になるビリー・バンバンのニュー・アルバム「春夏秋冬(はるなつあきふゆ)」。まさに「珠玉」というべき全8曲、聞く者をグイグイと引き込む濃密な33分余があっと言う間に過ぎていく。
かの小田和正は57歳でアルバム「そうかな」でオリコン・チャート1位を獲得、話題を集めたが、本作製作時に於いて、兄の菅原孝は61歳、弟・進も59 歳。フツーの会社員ならボチボチ定年の声がかかるところだが、生まれついてのポップス職人である二人にはまったく関係ない。「春夏秋冬」は、「そうかな」に勝るとも劣らない、ポップス好きなら誰が聞いても唸らされるに違いない、年齢を超越した傑作に仕上がった。
青春の甘さ、年齢を経ることの苦さ、目の前に広がる夢、既に失われた夢、そしてピリッとしたユーモア…。ポップスに欠かせない要素がギュッと濃縮され、そこかしこにちりばめられている。心地よいリバーブに酔ううち、オジサン二人の術中にはめられていることに気づく。しかしそれは決してネガティヴなものではなく、何者にも代え難い音楽的体験=ポップスの魔術なのだ。
ビリー・バンバンの音楽は、60年代のフォーク・ブームに乗ってデビューを果たしたというそのキャリアから考えると、いかにも「若者」の音楽というレッテルを貼られがちだが、デビュー時からこれほど「大人」であったアーティストもいないと思う。
菅原孝、進兄弟の歌声は決まって「みずみずしい」「透明感にあふれ」と形容される。日本のミュージック・シーンでは、これは「若々しさ」「いい意味でのシロウトっぽさ」をイメージさせる言葉だろう。
もちろん「みずみずしさ」「透明感」だけを売り物にして、ごく短い間人気を得るアーティストだって数多くいる。しかし、ビリバンのように実に35年の長きに渡り(途中活動を停止していた期間はあるにしても)、歌い続けるということは、「みずみずしさ」や「透明感」だけでは、とうてい説明できないということは、お分かりいただけよう。
彼らが今日まで第一線で活動を続けることができたのは、一貫して「大人の鑑賞に耐え得るポップス」を追求してきたからだ。その陰には、彼らが敬愛してやまない師匠…日本ポップス史に輝く巨人、浜口庫之助の存在があることは間違いない。
黄色いサクランボ、バラが咲いた、夜霧よ今夜もありがとう、空に太陽がある限り…幅広いジャンルにまたがって、生涯にわたり名曲を生み出した巨匠、ハマクラさん。その名曲群すべてに共通するエッセンスを一言で言い表せば、「ロマン」ではないだろうか。今回の「春夏秋冬」収録トラックすべてに、そんな師匠譲りの「ロマン」が色濃く漂っている。ビリバンの二人もまた、事あるごとに師匠への敬愛の念を表明している。
「浜口先生には、いろいろ教わったけど、よくカカトから声を出せといわれたなぁ。立って歌っていると、後ろから背中におぶさって『ビートでオレをあげてみろ。地球の引力から外に出る力を使って歌え』って。この年になっても、先生の感触が浮かびますよ」(夕刊フジ 05年11月26日号から、孝の発言)
さすがはハマクラさん、小手先のテクニックではどうにもならない「歌声」の大切さを誰よりも理解していたのだろう。そんな巨匠に手取り足取り鍛えられた、若き日のハード・トレーニングを積み重ねた上で初めて生み出された「みずみずしさ」であり「透明感」。ビリバンの音楽が、決して一筋縄ではいかないものだということが、お分かりいただけよう。 60年代後半、代官山・猿楽町の浜口邸で養われ始めたビリー・バンバンのポップ・センスは、ダッチ・コーヒーが一滴ずつ落ちていくように、40年余りの時間をかけて蓄積され、そして2006年の今、一気に花開いた。それが今回の「春夏秋冬」である。
内訳は、オリジナルが4曲、セルフ・カヴァーが2曲、洋楽カヴァーが2曲。オリジナルはどれも驚くほど完成度が高く、またカヴァーも「その手があったか」と目からウロコが落ちるような独自の解釈が光る。二人は価値観がまったく違い、取材中も言い争いを始めることが珍しくないそうだから、これらの楽曲も徹底的に二人の間で磨き抜かれ、結果としてポップスとしての類まれな輝きを得るに至ったのだろう。
ビリー・バンバンは今、間違いなくそのキャリアの頂点にいる。
(おーくぼたろ−)