顧剣亨「Wumai_09、 Wumai_011、 Jingumae Tower Building」
「Wumai_09(上左)」、「Wumai_011(上右)」、「Jingumae Tower Building(下)」
作家プロフィール
1994年京都府生まれ、上海育ち。京都造形芸術大学現代美術・写真コース卒業。大学在学中にアルル国立高等写真学院へ留学。主な受賞歴に2018年「KG + Award 2018」グランプリ、19年「sanwacompany Art Award / Ar t in The House2019」グランプリなど。現在は、東京を拠点に活動する。
制作年
「Wumai_09」2018
「Wumai_011」2018
「Jingumae Tower Building」2019
使用画材
「Wumai_09」インクジェットプリント
「Wumai_011」インクジェットプリント
「Jingumae Tower Building」インクジェットプリント、アルミマウンティング
サイズ
「Wumai_09」H105.8×W158.7cm
「Wumai_011」H105.8×W158.7cm
「Jingumae Tower Building」H135×W830cm
ステートメント
都市空間における自身の身体感覚を基軸にしながら、そこで蓄積された情報を圧縮・変換する装置として写真を拡張的に用いている。独自の手法で異なる時間、場所を接続し再構成することにより、空間の周縁に潜在するコンテクストへと視線を誘導し、風景を形づくる見えない情報的地層の断面を立ち上げている。
音楽と制作に関して
小さな頃から、なぜか木魚の音が好きだった。あの、一定のリズムで刻まれる単音は、心臓の鼓動の音にも似通っている。このシリーズを制作する際、コンピュターの自動処理ソフトを使用する代わりに、指先をひたすらキーボードに叩きつけながら画像処理を行なっている。まるで自分の身体を機械にしたように。気がつくと、僕の耳に聞こえてくるのはキーボードを叩く音だけ。「カチカチカチカチ、トントントントン」のリズムが、絶え間なく繰り返される。その鼓動のような単音が響きわたる中、画面の中では分解と再構築が行われている。そこでは小さな揺らぎやずれを含んだ身体性が、豊かなノイズとして織り込まれていく。今回の作品では、およそ一週間分の「カチカチカチカチ…」を鳴らし続けた。
顧剣亨 プレイリスト