今年6月に独ライプツィヒ市よりバッハ作品の普及に貢献した者に贈られる「バッハ・メダル」を授与されたシフの最新作は、全編クラヴィコードによるバッハ作品集。アルバムから「3声のリチェルカーレ～《音楽の捧げもの》BWV 1079より」が先行配信されている。

シフにとって初のクラヴィコード集である今作では、バッハ初期の鍵盤作品を中心に録音、バッハの時代の音色、そしてクラヴィコードの「カンタービレ芸術」を味わうことができる。

バッハが最も好んだ楽器と言われるクラヴィコードの音色についてシフは「新しい世界、騒がしい現代における静かなオアシスへと誘ってくれる。クラヴィコードのおかげで、私はバッハを以前とは違ったふうに、より精緻に、より明解に聴き、演奏するようになった。」 と語っている。

今回の録音では、ベルギーの楽器職人ヨリス・ポトフリーへが製作した1743年製スペッケンのレプリカを演奏。録音は独ボンのベートーヴェン・ハウスの室内楽ホールで行われ、プロデュースはECMレーベルのオーナーであるマンフレート・アイヒャーが担当。

2枚組のアルバムは「カプリッチョ《最愛の兄の旅立ちに寄せて》」で幕を開け、「インヴェンション」「シンフォニア」などを経て、ラストの「半音階的幻想曲とフーガ」まで、作品への深い洞察に基づいた表現が収められている。

アンドラーシュ・シフ『J.S.バッハ：クラヴィコード』
2023年1月27日(金)発売
SHM-CD：UCCE-2100/1 ￥5,280(税込)

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CD 1
1-6. カプリッチョ《最愛の兄の旅立ちに寄せて》BWV992
7-21. インヴェンション BWV772-786
22-25. 4つのデュエットBWV802-805
26. 3声のリチェルカーレ～《音楽の捧げもの》BWV 1079より

CD 2
1-15. シンフォニア BWV787-801
16-17. 半音階的幻想曲とフーガ BWV903

録音：2018年7月　ボン、ベートーヴェン・ハウス