<レポート>令和スタートと共に6年ぶりの再始動。記者会見で70歳の「限りなき挑戦」を語る。38年ぶりの北京公演も発表!
新元号「令和」が施行された5月1日、アリス6年ぶりのツアーテーマとなる新曲「限りなき挑戦 -OPEN GATE-」を含むスペシャルセレクション・アルバム『ALICE AGAIN限りなき挑戦 -OPEN GATE- THE SETLIST』がリリースされた。
そして三人によるアリス結成日である5月5日からは2020年まで続く全国ツアー「ALICE AGAIN 2019-2020 限りなき挑戦 -OPEN GATE-」が思い出の地、神戸からスタートする。
このツアーに先駆けて、5月3日(金)市川市文化会館にてファンクラブ限定公開のゲネプロが開催。ゲネプロの前にマスコミに向けてのメンバー3人の記者会見が行われた。まずツアーテーマとなる新曲「限りなき挑戦 -OPEN GATE-」をフル・バンドでメディアに向けて初披露。谷村新司、堀内孝雄の御馴染みのツイン・ヴォーカルとツイン・ギター、そして矢沢透の骨太のドラム・サウンドで今年全員70歳とは思えない、熱いロック・サウンドを聞かせた。
続いての記者会見では、最初に谷村新司がメディアに挨拶。『6年ぶりのアリスのツアーをスタートいたします。今年は3人そろって70歳。“70歳の限りなき挑戦”、これがテーマです。「3人で今だからできる大人のロックをしたいね」と話し、誰が聴いても“かっこいい!”と思える音作りをしてまいりました。6年前に47都道府県のツアーを行ったときに、すでに会場には2世代に渡る観客の皆さんが来ていただいていたんですが、今回は3世代になっているんじゃないかな、と我々の方も楽しみにしております。「限りなき挑戦 -OPEN GATE-」の歌詞の中にも出てきますけれども、これからの新しい時代を、世代を越えて、一緒にたくましく生きていこう、そういう応援歌になればいいと思っております。そうして我々3人に共通する思いは、全国で待ってくれている皆さんと、それぞれの会場でまた笑顔で会える、それが我々にとって何よりも喜びで望みです。』と話した。
記者から、「令和という新時代の初めからスタートすることの意味」について聞かれた堀内は、『令和のタイミングという事ですが、これは考えてできることではないので。これは偶然がくれたプレゼントじゃないかな。僕らは昭和に生まれて、そして平成の御代も越えて、今度令和ということで、こんなラッキーなやつらはいないですよね。僕は(アリスでは)一番年下で、10月に70歳・古希を迎えるんですが、さしずめ喜寿あたりを目指して頑張ろうかな、と思っております。』と答えた。また矢沢は「今回は悲しく時代が変わるのではなく、前向きに変わっていますし、希望を持ってみんな喜んでいる。僕たちもいい意味で明るくスタートを切れるので、すごくやる気が出ております。」と話した。
また、記者から「70歳でオリジナル・メンバーでロングツアーが出来るバンドは世界的に見ても凄いことである」という話を受けて、谷村は「3人が元気に顔を合わせられるということが何より会う度に嬉しいね、と話しています。僕らの周りではオリジナル・メンバーで組もうと思っても組めない方もいるし、亡くなられた人もいます。僕らのこの状況にはひたすら感謝しております。3人が元気でいてくれることに感謝しつつ、お互いにいい意味でいたわる心が芽生えてきています。」と話した。
その後、会見では今年11月17日に北京工人体育館にて、アリスの北京公演が38年ぶりに開催されることが発表され、ステージには中華人民共和国 駐日本国大使館 文化部 参事官、石 永菁(セキ・エイセイ)氏が登壇した。石参事官は『1981年にアリスが北京で公演をしたときには、私は日本語を勉強して大学2年生でした。アリスのコンサートを見るチャンスは無かったですけど、教材としてアリスのビデオを見まして、クラスのみんながファンになっていました。時間が経つのは早いもので、それから38年が経ちまして、いまはこのように駐日本国大使として文化交流をしております。アリスのそのときの公演は、そのときの青年たちにはとっても影響が大きかったです。今年は日本にとっては令和という新しい時代に入りまして、中国も建国70周年となっております。そして今年は中日文化事業協定40周年、そして中日青少年交流推進年でもあります。多くの日本の若者たちに、先輩たちの事業を受け継いて、中国との交流をにお願いしたいと思います。」と感慨深く話した。
谷村は『1981年に我々が中国を訪れたとき、若い人たちが北京工人体育館、日本でいうと日本武道館というようなところですね、そこでの2回のコンサートで2万人もお越し頂きました。それから時が流れて中国を訪れると「あのとき実は会場にいました」とかそういう話を聞きます。去年、私がコンサートをしました時に、「2019年は日中文化交流の記念の年でもありますし、38年前と同じ工人体育館でお願いします」といお言葉をいただきまして、今回38年ぶりの北京公演が実現することになりました。国際状況とか経済環境とかいろんなことが起きてきていますけど、政治とか経済を越えて、唯一、素直に繋がれるものは文化しかないのではないかと僕は思っています。文化の交流が中国と日本のいい環境作りに貢献できるのではないかな、と思っております。』と話した。
記者会見の後は約600名のファン・クラブ会員がホールを訪れ、アリスのコンサート・ツアーのゲネプロが行われた。アリスは観客の前で初めての披露となる新曲「限りなき挑戦 -OPEN GATE-」など、ツアー演奏曲を全て演奏した。
★1981年8月のアリスin北京公演について
1981年8月、日中青少年文化交流事業において日本の若者代表としてアリスが招聘され、「日中若者友好 Hand in Hand アリス in 北京」コンサートが開催された。1972年の日中国交正常化以後 中国で初めて行われた文化交流であり、アリスが当時の日本のポップカルチャーとしての音楽を届け、時代の目撃者となった。そして2019年、日中文化事業協定40周年・日中青少年交流年として38年振りにアリスの北京公演が再び実現する運びとなった。