BIOGRAPHY

AIDA GARIFULLINA / アイダ・ガリフッリーナ

アイーダ・ガリフッリーナは幼い頃より音楽に囲まれた生活を送っていた。1987年にロシアのカザンで生まれ、聖歌隊の指揮者である母親から音楽を学び、その影響を受けて彼女はオペラを学びたいという気持ちを抱いたのであった。18歳のときにドイツのニュルンベルク音楽大学でジークフリート・エルサレムに師事したのち、2007年にウィーン音楽・演劇大学に入学し、クラウディア・ヴィスカの指導のもとで研鑽を積んだ。

2013年、指揮者で芸術監督のヴァレリー・ゲルギエフに招かれ、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場の公演に参加した。そこでは、モーツァルトの「フィガロの結婚」のスザンナでデビューし、その後、「リゴレット」のジルダと「愛の妙薬」のアディーナを演じている。2014年には「戦争と平和」のナターシャ・ロストワ、「金鶏」のシェマハの女王といった役でオペラのプレミアに出演した。英国の監督、グラハム・ヴィックの演出による「戦争と平和」での演技は、ヨーロッパ中の映画館で上映され、この若きソプラノの堂々たる声が数千万人に初めて披露された。

同じ年、マリインスキー劇場のプレミアの舞台を飾ったアイーダは、世界的に有名なプラシド・ドミンゴの国際オペラ歌手コンクール「オペラリア」(ヴェローナ)で第1位を獲得した。「オペラリア」での成功に続いて、ウィーン国立オペラ座に招待され、伝説的な英国のレコードレーベルである「デッカ・クラシックス」と契約を結んだ。

今日、彼女はウィーン国立歌劇場の声となっている。彼女はウィーンとロンドンで定期的にリサイタルを行い、ロシア国内外でプラシド・ドミンゴ、アンドレア・ヴォッチェリ、ドミトリ・ホロストフスキーら巨匠たちとジョイントコンサートに出演している。

奥行き、暖かさ、優しさといった要素がアイーダ・ガリフッリーナの声を唯一無二のものにしている。その声による歌唱は、一声の中に様々なスタイルや抑制と烈しさのコントラストなどあらゆる表情を見せる。これらの特質は、彼女の自然な美しさ、若さ、そして魅力と相まって、今日のオペラ界で最も魅惑的な人物の1人としている。