フルストリングスの世界の中でAIの声が新しい旅に出る。『マイ☆フレンド』はすべての夢追い人に贈るAIからの贈り物。
2003年6月25日2nd Single『Thank U』、2003年7月23日1st Album『ORIGINAL A.I.』と、２ヶ月連続リリースを経て、現在初のソロツアーを敢行中のAI。鹿児島、大阪、名古屋、東京の4会場ともチケットはすべてSOLD OUT。バンドを従えてのライブでは、ライブアーティストとしてのAIのパフォーマンスパワーを120％発揮。『ORIGINAL A.I.』収録曲の中でも、ひときわ心を揺さぶるメロディーとメッセージで話題になっている『My Friend』がアレンジャーの鷺巣詩郎氏の手によって完全に生まれ変わった。

■人気曲
「少しだけ大人になった時、2人もっと成長して会えるといいね、マイ・フレンド・・・」 そうAIが汗だくになって歌うとき、クアトロのステージを見つめる何人かの女の子の目には涙がこぼれおちていた。2003年7月23日にリリースされたアルバム『ORIGINAL A.I.』に収録されている一曲「My Friend」だ。この曲はホームページでの人気投票、ライヴにおけるアンケートなどでアルバム中一番人気となった。そこで、ＡＩは完全に新しいアレンジでこの曲を再録音。豪華なオーケストラ・アレンジ、リミックスは、ロンドンの鷺巣詩郎氏。さらに、DOUBLEとコラボレートした「L'arpege Noir Mix」も収録。「My Friend」にアルバム・ヴァージョンとはまったく違った新たなる息吹が芽生えた。

■挑戦
さらに、AIが初めてカヴァーに挑戦。これまでもライヴなどではいくつものカヴァーを歌ってきたが正式にレコーディングする作品としてAIが選び抜いたのがなんと坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」。AIは単なるカヴァーにとどまらず、自ら歌のメロディーと新たな歌詞を吹き込んだ。このトラックを作っているのは今話題のラッパー、50セントに作品を提供しているトミー・コスターと、RYUによる制作ユニット、327。

■ライヴ
去る9月に行なわれた鹿児島、大阪、名古屋、東京におけるAIのライヴ・ツアーは、どこもソールドアウトの大成功を収めた。僕が見たその日（9月5日）渋谷クアトロは800人近く入ってこれ以上身動き取れないほど。メアリーＪ、ローリン・ヒルなどのカヴァー曲はまさに水を得た魚状態。AIの持っている歌力は文句なし。そして、中盤「マイ・フレンド」では前述のとおり。踊らせ、泣かせ、じっくり聴かせた汗一杯のライヴの模様が『ORIGINAL A.I./DELUXE EDITION』と題して、CDとDVDの2枚組になって11月26日リリースされる。DVDにはそのライヴの模様が約50分収録される。ライヴに行けなかった人はこれでその模様を、行った人はその感動をもう一度。誰にでも愛されるキャラクターに歌のうまさ、ラップのかっこよさ。彼女は自分の目標を掲げ、そこへ到達するために一歩一歩着実に階段を上っている。DVDにもその一歩が刻まれている。

（ 音楽評論家　吉岡正晴)