「ACIDMAN ニューアルバム配信ライブ」にて新曲6曲を一挙初披露! 今秋リリースのニューアルバムタイトルも決定!
5月21日19時より、「ACIDMAN ニューアルバム配信ライブ」が初回配信された。それは今秋リリース予定の12枚目のオリジナルアルバムからの新曲をいち早く披露する、ロックバンドとして前代未聞の試みで、会場は巨大な4面LEDパネルとXR映像のメディアサーバーを常備した新設スタジオ「BLACKBOX³」。ACIDMANらしいアッパーなロックンロールにファンキーなグルーヴを掛け合わせた1曲目「Visitor」から、壮麗なLEDとXR映像が躍動し、ヘヴィなギターリフに3人の熱い掛け合いシャウトがハマる「歪んだ光」では、白い閃光が縦横無尽に画面を突っ切って目と耳を釘付けにする。凄い迫力だ。
「1日も早く作ったものを聴いてもらいたいと思って、何がベストか?を考えた時に、配信ライブをもう一回やろうと思いました。このBLACKBOX3は俺たちにとって最高の空間です。画面越しではありますが、本気でやりますので、みなさん最後まで楽しんでください」
ブラックスーツとタイで決めた大木伸夫(Vo&G)が、この日の趣旨を丁寧に説明する。3曲目「Rebirth」と4曲目「灰色の街」は、昨年配信リリース済みの曲だが、「灰色の街」はモノクロームな映像から始まり、曲がエモーショナルに盛り上がった果てにカラー映像に切り替わる、劇的な演出が見事にハマる。さらに大木がエレクトリックピアノを弾くワンコード・ファンクのインスト曲「Link」を経て、ACIDMANには珍しいほどに明るく伸びやかな開放感を感じる「ALE」へ。画面いっぱいに雪のように星が降る、ファンタジックな映像が美しい。
リリース前の新曲をいち早く披露することについて、「シンプルな昔の状態に戻ったんです」と語る大木の言葉にバンドマンとしての責任と自信がにじむ。7曲目「素晴らしき世界」は、佐藤雅俊(B)と浦山一悟(Dr)の洒落たフィンガースナップで始まり、大木がアコースティックギターを弾く、柔らかいミディアムチューン。「この世界は素晴らしい」という、ACIDMANがずっと歌い続けてきたテーマの集大成のような、純粋な希望と人間の悲しみを兼ね備えた楽曲だ。
「コロナの中で、音楽にできることはほんの少しだけど、心の奥底に光を当てることはできると思います。感動、喜び、心を動かすことができると信じています。今日の配信ライブが、みなさんの力になればと思います」
この日のラスト曲、8曲目に演奏されたのはACIDMANならではのラウドでドラマチックなミドルロックバラード「innocence」。歌う前に「INNNOCENCE=純真無垢に人間は戻って行くべき」「きれいごとを歌い続ければ、世界は少しでも美しくなるんじゃないかという祈りをこめて」と、大木が真摯に説明してくれる。4面LEDスクリーンをフルに使い、足元には大地、背景には銀河の星のまたたき、そして宇宙空間に太陽が輝く。五感が激しく揺さぶられる映像と共に、ACIDMANの音楽が雄大に鳴り響く。なんとも荘厳なフィナーレだ。
「今度は、今度こそは、リアルな目の前のライブで会いましょう。ACIDMANでした」
最後に、ニューアルバムのタイトルは『INNOCENCE』であり、この日披露した8曲のほか、さらに数曲の追加録音を予定しているとのこと。ネタバレになる為ここでは書けないが、配信ライブの中でのタイトル発表の演出はACIDMANらしいサプライズ演出の仕掛けもあり、観ている者を楽しませてくれた(アーカイブ配信もあるのでチェックして欲しい)。12枚目にしてさらなる進化を遂げるACIDMANの壮大な音楽と、LEDパネルとXR映像を駆使した最新のエンターテインメント演出と。両者ががっちり手を組んだ、素晴らしい体験だった。