アルバム「彷徨」で日本国内でのLP総プレス枚数第2位、232週連続TOP100入りで、歴代LPロングセラー・チャート第3位。
アルバム「夢追い人」「道草」「遠ざかる風景」が3作連続1位。
極めつけは、1975年にアルバム2枚を11週連続TOP3入りさせ、2006年現在、今だ誰にも破られていない記録を持つ。
70年代に超弩級の勢いで一世を風靡したレコード・ホルダー小椋佳。
小椋にとっては子供の世代、平均年齢31歳/10組19名のアーティストが、レーベルの枠を超え、偉大なる35年のキャリアからの10曲を、尊敬と賛辞を込めて参加したトリビュートアルバム。

ゴスペラーズ・キンモクセイ・笹川美和をはじめ、白鳥マイカ（母：白鳥英美子）・Yae（母：加藤登紀子）・坂本美雨（両親：坂本龍一・矢野顕子）らのミュージシャン子弟のシンガーも参加！全曲新録音！

■曲目 / 参加アーティスト■
★01. しおさいの詩（Instrumental） / ピアニカ前田
　1971年作品（小椋佳26歳） / 作曲：小椋佳 / 編曲：ピアニカ前田・宮田まこと

小椋佳の記念すべき1971年2月に発売されたファーストシングル。銀行の留学生として渡米中の、同年1月15日に発表されたデビューアルバム「青春～砂漠の少年～」の1曲目にも収録されている。
●ピアニカ前田
1954年生まれ。ピアニカ（鍵盤ハーモニカ）奏者としては日本で第一人者。1993年デビューアルバム「ピアニカ・サマー」をリリース。ソロ活動の他、自身が主宰するバンド、ピラニアンズ、ボッサ・ピアニキータの活動と平行しながら他ミュージシャンとのセッションも精力的に行う。

★02. さらば青春 / 白鳥マイカ　
1971年作品 / 作詞・作曲：小椋佳 / 編曲：武沢佑昴

小椋の代表曲のように思われているが、当初は前述のシングル「しおさいの詩」のB面曲であった。
●白鳥マイカ
1976年生まれ。2001年デビューし、現在までに3枚のアルバムをリリースしているシンガー・ソングライター。
最近はKaoru Amaneの「タイヨウのうた」の作詞・作曲家として知られる。母は歌手の白鳥英美子。

★03. 木戸をあけて～家出をする少年がその母親に捧げる歌～ / キンモクセイ
1971年作品 / 作詞・作曲：小椋佳 / 編曲：キンモクセイ

1972年3月1日に発表されたサードアルバム「彷徨」に収録。同アルバムは、232週間連続の長期間にわたりTOP100チャートに滞在し、ビートルズの「LET IT BE」「ABBEY ROAD」に次いでオリコンLPロングセラー・チャート第3位の記録を持つモンスターアルバム。
●キンモクセイ
2001年デビューの5人組グループ。これまでに4枚のアルバムを発表。2002年1月に発表したセカンドシングル「二人のアカボシ」が大ヒットし、同年の紅白歌合戦にも出場。最新作は10月18日に発売された14枚目のシングル｢さよならの表情｣｡

★04. 白い一日 / HARCO　
1973年作品 / 作詞：小椋佳 / 作曲：井上陽水 / 編曲：HARCO

74年1月にシングルとして発表され、6枚目のアルバム「残された憧憬－落書－（74.7）」に収録された。作曲は井上陽水。小椋のプロデューサーが井上陽水の担当でもあった為、その縁でこの豪華なコラボレーションが実現した。ちなみに陽水版「白い一日」は、1973年10月発売のアルバム「氷の世界」に収録され、小椋版より3ヶ月発表は早かった。余談だが日本のＬＰ総プレス枚数の第1位は井上陽水「氷の世界」、第2位は小椋 佳「彷徨」である。つまり作詞小椋、作曲陽水の、この楽曲は当代最高のアーティスト同士のコラボレーションだった訳である。
●HARCO
1975年生まれ。作詞作曲及び全ての楽器を演奏し歌う青木慶則のソロ・ユニット。2000年には英ヴァージン社の新設レーベルV2 RECORD JAPANよりアルバム「大気圏シャワー」でメジャーデビュー。2005年11月にリリースしたスズキアルトCMソング「世界でいちばん頑張ってる君に」がヒットし、以降数多くのCMソングを手がける。最新作は9月20日に発売されたカジヒデキとのコラボシングル「BE MY GIRL ～君のデイリーニュース～（花王シャンプー・CMソング）」

★05. 俺たちの旅 / サスケ
1975年作品 / 作詞・作曲：小椋佳 / 編曲：平野友義

1975年中村雅俊が歌って大ヒット。小椋 佳の曲としても広く認知されているが、初めて音源化されたのは1976年11月に発表された6周連続チャート1位を獲得したベストセラー・アルバム「遠ざかる風景」。しかし、これはライブ盤だった為、スタジオ録音盤は発表から15年の時を経た1991年のセルフカバーアルバム「Re Best」。
●サスケ
1953年生まれの北清水雄太、奥山祐次の二人が2000年に結成し、大宮を中心に関東各所でストリートライブを続け話題となる。2004年10月に発売したアルバム「Smile」はオリコントップ3に入る大ヒットを記録。最新作は2006年1月にリリースした「卒業の日」。

★06.シクラメンのかほり / Yae　
1975年作品 / 作詞・作曲：小椋佳 / 編曲：坂本昌之

1975年、布施明が歌って同年の日本レコード大賞を受賞するほどの大ヒットを記録。小椋ヴァージョンは76年6月発表のアルバム「道草」に収録。
●Yae
1975年生まれ。高校時代からモダンダンスを始め、95年には俳優加藤剛の舞台に出演し、役者デビューを果たす。2001年6月にアルバム「new Aeon」でシンガーとしての活動も開始。母は歌手の加藤登紀子。

★07.思い込み / ゴスペラーズ
1975年作品 / 作詞：小椋佳 / 作曲：星勝 / 編曲：笹路正徳

75年10月に発表された7枚目のオリジナルアルバムで初のオリコン1位を獲得した「夢追い人」に収録され歌詞が全部で7番もある長大な楽曲。小椋は初ライブの76年10月のNHKホール公演でもこの曲を取り上げ、歌詞は1、3，7番を歌う。今回のゴスペラーズは1、2，7番を歌唱。ちなみに、この時期の小椋のチャート占拠率は凄まじく同アルバムと｢彷徨(1972年)｣ の2枚がオリコンTOP3に連続11週チャートインという、いまだ破られていない最高記録を持つ。
●ゴスペラーズ
1991年早稲田大学のアカペラ・サークル内で結成された5人組ボーカルグループ。94年メジャーデビューし、2000年に発表されたシングル「永遠（とわ）に」が大ヒットしブレイク。以降「ひとり」「星屑の街」「ミモザ」等多数のヒット曲を送り出す。また、他アーティストへの楽曲提供、プロデュースをはじめ、ソロ活動など多才な活動を展開中。最新作は11月22日に2年8ヶ月振りに発売される12枚目のオリジナルアルバム「Be as One」。

★08.揺れるまなざし / 坂本美雨
1976年作品 / 作詞・作曲：小椋佳 / 編曲：神田朋樹

1976年7月21日シングル・リリース。女優真行寺君枝がキャラクターを務めた資生堂のCMソングに起用され最高位5位、40万枚のセールスを記録。思えばこの1976年はLP売上で見ると小椋 佳の頂点の年であった。「シクラメンのかほり」「めまい」のヒットシングルが収録されたアルバム「道草」が6月にリリースされ、前年の「夢追い人」に続き1位を獲得、そしてこのシングルの大ヒット。当時、第一勧銀（現みずほ銀行）の社員であった為、これほどのヒットにも関わらず、コンサートやＴＶでの出演は一切無く、ジャケットにも顔写真も無く、その姿はベールに包まれていた。この年、空前の小椋 佳ブームが起き、コンサート待望論が高まる。そういった世間の気運の中、デビュー6年目にして初のコンサートが10月7日NHKホールで開催され、翌11月にはNHK特集「小椋 佳の世界」として放送され、大反響を呼ぶ。
又、コンサートの模様はライブ収録され2枚組LP「遠ざかる風景」として発売。3作品連続オリコンアルバムチャート1位を獲得した。
●坂本美雨
1980年生まれ。1997年SisterM名義でシングル「The Other Side of Love」でデビュー。本年5月にはセカンドアルバムをリリース。ラジオのナビゲーター、ジュエリー・デザイン、翻訳、エッセー執筆、女優など、日本／NYを行き来しなが、マルチな活動を続けている。
両親は坂本龍一、矢野顕子。

★09.愛燦燦 / 笹川美和
1986年作品 / 作詞・作曲：小椋佳 / 編曲：林有三

美空ひばり晩年の代表曲で、美空版は1986年5月29日にシングル発売された。二人の縁は、小椋が美空ひばりの芸能生活40周年記念にプロデュースしたアルバム「旅ひととせ（86.5）」がきっかけ。同作は日本各地の12ヶ月を小椋の全作詞作曲12曲で綴るコンセプトアルバムで、後に小椋が歌う「旅ひととせ」も1990年10月に発売されている。ちょうどこのアルバムが完成した頃、美空ひばりに味の素のCMの話しが舞い込む。広告会社は、本人出演と共にCM曲も美空の新曲で行きたいとのこと。スタッフは、その時期一番美空ひばりの近くに居た作家でもあった小椋に急遽新曲を依頼し、非常に慌ただしい中で書き下ろされたのが、この楽曲。小椋が歌ったヴァージョンは、1987年発表のセルフカバーアルバム「彩影」に初収録され、デビュー30周年の2000年10月に発売された「Debut」では、ジャズアレンジで再録音している。
●笹川美和
1983年生まれのシンガーソングライター。2003年シングル「笑」でデビュー。本年2月にはサードアルバム「夜明け」を発表。最新作は11月8日発売の9枚目のシングル「迷いなく」。

★10.流されはしなかった / 高橋孝　
1994年作品 / 作詞：小椋佳 / 作曲：ERIC CARMEN / 編曲：森下武

小椋が第一勧銀（現みずほ銀行）を退職後、最初に発表されたアルバム「テオリア（94.7）」に収録。エリック・カルメンの「Boats Against The Current(邦題：雄々しき翼)」に小椋が詞をつけた。30年近く務めた銀行生活を終え、それまでを振り返り、新たな人生へ向かう小椋の決意を表したマイルストーン的な楽曲。本人にとっても思い入れのある楽曲のようで、デビュー30周年の際に発表されたアルバム「Debut （2000.10）」でアレンジを変えて再録音され、コンサートでもよく歌われている。
●高橋孝
最後に登場する1975年生まれの高橋孝は、その歌声に惚れ込んだ小椋の直弟子的存在。日本民謡歌唱コンクール第1位、日本津軽三味線演奏コンクール優勝の実績を持ち、三味線奏者として二代目・藤田淳一、民謡歌手として三代目・森昇月を襲名。小椋のコンサートや、主催する歌綴り舞台に出演。2006年2月に小椋プロデュースのミニアルバム「逢いたくて」を発表。民謡界のホープとして期待されている。